東京にきた80年代の前半は「混線」というものが流行っていた。当時の電話は相手が話中だったりすると意図しないところにつながってしまうことが多かったんだけれど、それでたまたまつながった男が教えてくれたのが「混線」だった。いくつかの番号があって、そこに電話すると「あなたのおかけになった電話番号は現在使われていません」というアナウンスが流れる。そのアナウンスの隙間に「おーい」と声を出すと、向こうでも「おーい」と女の声が聞こえる。そこで、こちらの電話番号を大声で伝えると、電話がかかってくる。まあ、大雑把に言うとそういう流れであった。こうしてまったく知らない女のコと知り合うことになるのだ。しかし、時には男性とつながることがある。この場合は「チェッ」なんてことは思わない。なんせ男とは情報交換できるからだ。お互いに知っている混線の電話番号を教えあったりするわけである。そこで、僕は新たなメディアである伝言ダイヤルを知るのである。常に新しい知識を得るのは男性からだ。

　そんなこともあって、僕は出会い系でも男性からの情報を重視しているのだ。

　しかも、出会い系サイトで女性になりすませば、やり取りにかかる料金は一切必要ない。そのため僕は専用の携帯電話を1台持っている。全部で携帯電話は3台あって、1台は仕事用、1台は出会い系男性用、そしてもう1台は女性になりすましたものだ。この3台の組み合わせは実に効率のいいナンパを実現してくれる。この方法はまた機会があればくわしく説明したいけれど、今回は本題とはずれるので省く。

［前のページへ］　［下関マグロTOPへ］　［次のページへ］