佐伯 まず、お仕事内容について聞かせていただけますか。
溝口 ひとつは、男女関係についてのカウンセリングです。彼氏・彼女の作り方や、付き合っていく上での関係改善などを、セミナー形式でアドバイスしています。自分の実体験やいろいろな人との出会いを通して得たノウハウをまとめて、講習会で披露しています。
佐伯 カウンセリングは男性、女性両方ですか。
溝口 そうです。最初は男性から始めました。男性の場合、彼女がいなくて悩んでいる人がかなり多いので、多くの悩める男性の助けになりたいという気持ちからスタートし、女性とのコミュニケーションのとり方や会話の仕方などをアドバイスしました。
佐伯 教えるとすぐに彼女ができるのですか。
溝口 実行しないとできません。マニュアルを買ったり相談をしたりしたあとに、実践が必要です。彼氏・彼女ができないのには法則があるのです。あまりにも当たり前すぎる法則が……。話を聞いていると、単に出会いがないだけのことが多いのです。たとえば、工場で朝から晩まで働いていて、女性と出会う機会がなく、終業後もまっすぐ家に帰るだけという人がいました。
佐伯 その場合、どこへ行ったら出会えるかというアドバイスもなさるのですか。
溝口 はい。合コンでもパーティーでも、とにかく、参加して出会うことが先決ですが、それさえもやらない人がけっこう多いのです。まずは出会いの頻度を増やすということを、カウンセリングしながら、行動にもっていくようにします。それを実行した人の2人に1人は、出会っただけで彼氏・彼女ができます。また、そういう場へ出ても彼氏・彼女ができない人には、会って何を話せばよいかをアドバイスします。
佐伯 自分で考えつかないのですか。
溝口 はい。会話が続かない人が多く、自分であらかじめ考えたネタを話し終えると、次の話題が見つからないのです。話せない焦りが相手に伝わり、相手も楽しくないから、それっきりになってしまいます。もうひとつは、男女ともに自分の気持ちを告白しないから、友人で終わることが圧倒的に多いということです。30年生きてきて彼氏・彼女がいないという人に、告白したことがあるかと聞くと、「ない」といい、常に「好き」という気持ちを抱いているだけなのです。
佐伯 心で思うだけなのですね。
溝口 これは心理学の話になるのですが、それまで全然気にしなかった人でも、好意を持たれているとわかると、相手を意識し始めます。ですから、出会いの頻度を増やして、「あっ、この人は」と思う人に気持ちを伝えるだけでいいのですが、自分で勝手に妄想している人が多いですね。
佐伯 カウンセリングの申し込みはネットですか。
溝口 最初は、セミナーお申し込みのメールをしていただきます。
佐伯 教材には、心理学も取り入れていらっしゃるのですか。
溝口 はい。それに男性向けだけでなく女性向けのマニュアルも作っています。男性同様女性にも教材は好評です。
細やかなカウンセリングが好評
佐伯 テキストに書いてあることを全部やっても対応できないことが出てきた場合はどうしたらいいのですか。
溝口 実際には、全部を実行してダメだったというケースはほとんどないですね。中の一部だけをやってダメでしたけど、どうしたらいいですかというパターンがほとんどです。特別レポートには、付き合うまでと付き合い始めたあとが書いてあります。それをやってもダメな場合は、より細やかなカウンセリングをします。
佐伯 興味深いですね。書店でそういう種類の本を買うのは恥ずかしい人でも、ネット上だと購入しやすいですね。ところで、このお仕事を始めたきっかけは何だったのですか。
溝口 以前は会社で営業をやっており、いろいろな人と出会う機会が多く、話していくうちに、人の心の動き方などがだんだんわかってきたのです。「こういう人間の心理をまとめられたら」と思ったことがきっかけでして、この仕事を始めてまだ2年ほどです。
「好き」だけでは長続きしない、小さな努力の積み重ねが必要
佐伯 末永く相思相愛で付き合っていく方法もマニュアルにあるのですか。
溝口 はい。何十年も付き合う結婚などになると、「好き」という気持ちだけでは無理です。小さい努力をお互い少しずつ積み重ねることで、本当の意味での円満な関係になれるのです。ですから、どれだけ相手に小さな気遣いをしてあげるかが大事です。相手をねぎらい、相手に感謝しながら付き合うことが大事です。そして、依存しすぎないことです。この人がいれば死んでもいいというほど好きな時は、かえって相手が離れたりします。
佐伯 ああ、そうかもしれませんね。
溝口 「相互依存」という言葉があります。依存してはいても、ある意味でドライな、自立している部分をお互いに持っていなければなりません。相手のことを好きでありながら、それぞれが自分の立ち位置をしっかり持っていることが必要です。
佐伯 本日は、大変ためになる、貴重なお話をありがとうございました。