Ｓ社乱交パーティー疑惑の真偽

　昨年秋、業界大手の某カラオケチェーンの社長が中心となって繰り広げられていた乱交パーティーの模様が、ネットを通じてばらまかれ、業界のみならず各方面へ様々な波紋を投げかけたのは記憶に新しいと思われる。
　上場企業の重役や社長の奇行や性癖などは、この国のマスコミにとって手っ取り早く部数を上げる貴重なネタであり、今まで様々な連中がその餌食となった。ただし、この事件が特殊だったのは実際にそのパーティーの一部始終を撮った写真がまずネットを通じて流れた事。また、詳細が判明するに連れて社内、社外を含めて参加者達はすべて納得した上でこのパーティーに参加していたらしい事。この２点について、この騒動は他のものと際だっていたと思われる。
ちょうど同じ時期に乱交系パーティーの潜入取材をしていた事もあり、この事件については自分自身深い興味を持ってその動向を見守っていた。結局、この記事が出たときと同じぐらい突然各紙面から掲載記事が消え、自分を含め多くの人が他の事件と同じように忘れ去っていった。
しかし、先日プライベートで参加した乱交パーティーである女性と知り合い、彼女が元Ｓ社の社員で、しかもそのパーティーに何度か参加した事があるとの話を聞き今回あくまで純粋な興味として話を聞き出す事に成功した。
Ｏ（仮称）は都内出身のいわゆる「山の手お嬢」に分類される、苦労知らずの遊び人。Ｓ社への入社に際しても、父親のコネクションを通じて職を得たらしい。Ｓ社は報道などでもあったように、設立間もないいわゆる新興企業で、その経営のあり方も社風も従来の年功序列を代表とする古い企業体質とはだいぶ違った空気が流れる会社との事。会社への貢献度がそのまま出世につながるため、成り上がりを目指すものにとってはこの上ない環境であった事は確かで、ただそれが故に出し抜かれたり責任を一手に負わされたりで憂き目にあった人も数多くいるのが事実らしい。

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