ドラッグ体験記
【観賞用キノコ】

幻昼夢（げんちゅうむ）

　友人から「観賞用だ。」と言う事で、しなびたキノコの固まりを貰った。チャック付の小さな袋に、キノコ片が２〜３個ほど入っており、見た目には萎びて乾燥したシメジのような物。「観賞用だっても、こんなに干からびた物どうやって、めでればいいんだよ。」小さなツッコミを入れつつそそくさとポケットに突っ込んだ。
　「観賞用」と言う事であったにもかかわらず別れ際には、
�@ なるべくお腹がすいている状態で
�A 刺激の少ないスープ等と共に服用する事。
�B なんかあっても自己責任だからな。
という、服用に際する３つの注意事項をしっかりと言い渡されました。

　さて、どうしよう。こういったブツを有意義に楽しむ為にはそれ相応のセッティングが必要。まず最初に浮かんだのは、情婦と共にセックスドラッグとして使ってみる事。うーん、しかし彼女とは連絡をずっと取ってないし、何よりこういった事に理解があるタイプじゃないからなぁ…と言う事でボツ。次は、クラブへ出かけてファンタジックな世界を更に増幅させる小道具として使ってみる事。うーん、これもまた最近クラブに出かけていないし、まだキノコ類を決めた後に外に出るのが安全かどうか分からないからなぁ…と言う事で、こちらもボツ。

　迷ったあげく、一人でひっそりと楽しむ事にしました。とりあえずは、部屋の片付け。以前、友人がサイケデリック系のブツでキメた時に、部屋の壁に貼ってあった髑髏のポスター（暗くすると夜光塗料が光る）に呪いをかけられ、波がひくまで延々と怨嗟の呪文を唱えられ部屋から一歩も出る事が出来なかったという話を聞いていたので、しらふの状態で
「これは教育上、問題がある。」

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