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  平加門先生の人生相談(2)(相談者:金子真一郎)
ご相談を頂き、またビデオ・ザ・ワールド誌10月号(ささき監督の日記)及び12月号(中村氏評)を読みました。
撮影現場で何がどう生じたのか、また監督と氏にどのような感情の行き違いが生じて、その後の展開含めてどうして話がこじれてしまったのかは、正直佐々木監督の文章を読んでも、氏よりのご相談の文章を拝見しても、正直言えば、今ひとつ筆者にはわかりませんでした。

そこで、この経緯などについては殆ど、何もかけない立場なのですが、抽象的にもなりまた現場というものを具体的にはしらないという筆者の立場を踏まえて、少しだけ、考えていることをお話しします。
「男優」さんの職業というものがどんなに厳しいものであるか分からない部分もありますが、これだけは言えるのは、その部分もありますが、これだけは言えるのは、その最終的な使命は常にあくまで「脇役」であるということと、ポルノの持つ運命は「女達の淫らな痴態」や、彼女達が「興奮して(できれば)絶頂にまで達する」描写を(僕らは)見たい、ということに尽きます。
従って、逆に言うと男優さんは、脇役でありながら自らの使命としては自分の存在を余り感じさせずに、しかし女をいかせて見る者を満足させなくてはならないという、見る者の願望を一身に託された「影の主人公」でもあるんですね。
この微妙な立場をうまくこなして初めて、僕らはその男優さんの実力を評価し、高感度すら抱くのだと思います。

しかしだからといって、その男優さんがその作品に全面に出てきたり、その後のパフォーマンスみたいなものを望んでいるというわけでもないのです。
無個性だけど(性的な、つまり勃起力や発射力の)実力を有していて、しかも仕事だけで最後まできっちりとこなす。いわば、「裏方さんの実力」といったものだが、実の男優というか、理想的な男性像だと、筆者自身は考えています。そうすれば自ずと仕事の依頼は増えてくるし、現場のスタッフの信頼を勝ち得、また、女優さん達からもしたわれるようになるのではないでしょうか。
これは理想であって現実ではないという反論もあるでしょうが、

やっぱり男優さんは対人関係はあくまで控え目、謙虚で、ひたすら黙々と己の仕事を貫徹する。それしか方法はないし、逆にそれがこの業界で生き残る最大の方法でもあるのではないでしょうか(実はこのことは他の仕事にも言えることなのですが)。

 あとは日常生活の、その人の個性だと思います。筆者はビデオでみた印象でしか男優さんについて語れませんので、実名(男優名)は具体的に出しませんが、例えば、ベテランO氏は仕事関係の人々に対する気配りが徹底していて、女優が安心してO氏に身を任せることができる人のようです。たとえそれがレイプモノであっても、です。ここまで到達するのはやはり凄いことだと思います。

 これもベテランのH氏は、喋り(話術)で相手をリラックスさせる才能(?)みたいなものがある男優さんで、もう一人のH氏は逆に喋りが下手なのですが、その不器用さに暗さや嫌味がなく、人間味に好感が持てます。女優さんたちも現場でそれをすぐに察するらしく、この男優さんに接する女優さんたちの中に、不機嫌な女を見たことがありません。

 インディーズで主に活躍しているM氏やO氏は、これも不思議なのですが、女優さんたちに「恐い」とか「気持ち悪い」とかいった印象を与えないんですね。
別に彼らがとり立てて優しいというほど(自分達も)努力しているわけではないのですが、女優達からは恐らく「無害」な男優さんと第一印象で思われる感じがあって、これはこれで持って生まれた個性のようなものだと、筆者は思っています。

 他にも色々いますが、彼らに共通しているのはやはり「女優に優しい」ということではないでしょうか。
「商品」だから大事にしたり優しくしているのではなく、何はともあれ「一人の女性」として相手を見る眼を、彼らはもっているのだと思います。好き嫌いは別にして、常にそういう接し方を心がけえている、つまり「大人」なんですね。

 金子さんのビデオを見ていて感じていたことは(本当に申しわけないのですが)やっぱり、少々、責めが乱暴だなというのがありました。
今回のビデオでも、指マンで相手女性の性器を傷つけてしまったとありますが、(もちろん不可抗力ではあるにしても)そのプロダクションからNG男優と指定されてしまっても、仕方ないと思います。仮に今回のことがなくなっても、ひょっとしたら過去にありえたかも知れないし、今後もあるかもしれないと、一種の危惧感を憶えるほど、(特に)ピストン系が乱暴な感じを、筆者は印象としてもっていました。女性の苦悩の表情というのは、男には痛いのか感じているのか判別できないことがあります。
性格のいい子だと、多少痛くても「仕事だから」と我慢してしまう危険性があります。そういうちょっとしたことから、自分の職業生命にも関わるようなことが生じるわけですから、男優さんという職業は本当に大変だと思います。

 きっと金子さんも、責任感が強くて、一生懸命になってしまうのではないでしょうか。
業界に十年以上もいて、今更、自分の性欲がコントロールできないとか、自分の性欲に「負けて」しまって、つい夢中になってしまう、というようなことではないでしょう。
男優さんのお仕事というのは何も潮を吹かせたりすることではなく、まず本人に「気持ちいいSEX」の「やる気」をおこさせることと、言葉や愛撫で、文字通り相手の「身も心もとろとろに濡れさせる」(笑) ことが先決で、こういう卓抜なテクニックを有する男優さんは少ないです。

だからこそ、彼らはそれを前出しした「人間性」とか「個性」でカバーしているというの、補っているのだと思います。
以前、金子さんは、女の子の方が「気持ち良さそう」で(男より)「得している感じがする」と述べておりましたよね。
実際はその通りの部分も部分もあるのですが、それは同時に、「気持ち良さそうに」させるのは自分であって、そこには使命も責任もあって、損とか得とかの問題ではないということを感じてほしいです。
結果として自分も気持ちよくなるには、まず相手を安心・リラックスさせ、やる気を起こさせ、相手を配慮したテクニックを用いて、まずはとろとろにさせる(=喜ばせる)しかないです。
己の欲望は「後回し」、これが男優さんのつらいところでもあり、しかし最大の仕事でもあるんですよね。
筆者だって性風俗に行ったときは、こうした男優気分ですよ、いつも(笑)。己の欲望を「先にだす」と、必ず嫌がられます。若いときはこれで随分失敗しました。(爆)

 生意気をかきましたが、今のところこうしたことしかいえません。
告訴するかしないかはご自分で決断なさったことなので、筆者のでる幕ではないし、今回の件の事情も不明なので、何もいえません。ただ、何でもありのAV業界にも最低の人権尊重は守られるべきだという考えには賛成で、今回はささき監督が金子さんに対していわれなき(根拠なき)性感染症のことまでは持ち出そうとした点は人権侵害かも知れません。
これも経緯が分からないので、どっちが良い悪いではないですが、人権侵害や職業妨害とおもうなら徹底的に戦ってみてはどうですか。
それ以外部分はわかりません。

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