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風俗情報

  歌舞伎町地区特別対策及び関連記事等(2)-2

 6月30日・警視庁組織犯罪対策本部と杉並署は、入管難民法違反(不労就労助長)で、中野区沼袋のフィリピンパブ女性経営者(日本名を使用していたが本名は外国人名。季という名字なので在日の韓国女性かもしれないが、韓国系か中国系かは不明/43)を逮捕。同容疑者は5月から6月11日まで歌舞伎町2丁目のクラブ「メトロマニラクラブ フェイセス」で、不法残留のフィリピン女性5人(23〜33)を働かせた疑い。同店は地下1階にはしごを用意し、捜査などに備えていた。

 7月3日・早朝午前5時30分、警視庁組織犯罪対策本部と東京入管が、新宿区内の不法残留外国人のアパートを急襲(歌舞伎町地区特別対策、第五弾)。インドネシア人など71人が大量逮捕された。
 仕事柄、この摘発はいつまで続くのか、みたいなことをよく訊かれるが、筆者は警察官じゃないからわからない(笑)。今回は石原都知事の意向がかなり強烈に出ている印象を受けるが(かつて悪名高きNYの42番街を家族も行けるような超安全な街に激変(?)させた元ジュリアーニ市長のように)。このことが良いか悪いかは抜きにして、同知事が5月16日の定例会見で今回の摘発に触れた言葉がある程度の参考になるだろう。「波動的に何度でもやる。東京中でもやるし、東京を出て行ったら東京都が協力して地方でもやる。こういう人間たちを締め出さないと、どこの国だかわからなくなる。(略)(親中派といわれる自民党の野中広報元幹事長には)「日本の窮状というか、中国人にいかに迷惑しているかをキミの口から言ってやれよ」(とアドバイスしたというし、国松考冶警察長官が)「米国でシチリア島やナポリをベースにしたイタリア人がマフィアを結成したように、蛇頭はヘタすると日本に巣食った強力な犯罪組織になる。日本の暴力団も巻き込まれる」と懸念していたとのエピソードを明かした、という(内外タイムス5月18日号)。

 またこれは手元に資料がないので詳しい日時は忘れたが、難行していた副知事のポストに現役の警察署長が就任するという異例の抜摺がなされたことなどから、今回がかなり本気であることはもとより、割と長期的に考えているであろうことは類推できるだろう。ただし、犯罪的な外国人が地方に分散した場合、その地方がどれだけ責任をもって東京都と同じように摘発を敢行するかは(今は見えてこないので)何とも言えないところだ。前記のように「地方でもやる」と言い切れる状態になるかどうか。地方警察には各県によって摘発能力の差があろうし、警視庁の協力を得るということに対するメンツとか縄張り意識、場合によってはアレルギー反応みたいなものもあろう。

 またこうした、外国人が絡む場合、「国をあげて」ということになると、一歩間違うと(特に日本人は普段は大人しいが、極端だから)狂信的なナショナリズムと絡んだ「人種差別」的なトラブルが(古い世代の筆者などには)一番、懸念される。元はといえば、石原都知事が中国人をシナ人と呼んでその敵意みたいなものを剥き出しにした前科があるし、対韓国や今回の北鮮に問題などが起こるたびに、在日や朝鮮学校に「嫌がらせ」が相次ぐといった、戦前から受け継がれている日本社会特有の陰湿なアジア蔑視がある。いわゆる拉致問題で日本政府がかつて他国には一度も見せたことがないほどの強硬姿勢にでていること。今回の摘発報道下の中で生じた、台湾人医師(27)のSARS問題で、日経と毎日記者が見せた信じられないほど居丈高で傲慢不遜な態度(というより、記者というにはかなり頭が悪い態度・笑)。また、今回のイラク戦争においても、過去比較的友好だったイスラム諸国とのパイプを、自国の軍国化のためにいとも簡単に潰してしまうようなことなど、そういう日本人と日本社会の持つ脆さが、とても気になる。今のところ外国人に対しては、犯罪と違法風俗の弾圧に届まっているが、長引く不況下の社会不満や、狂暴化する若者達の間に、この外国人差別が、それこそ八つ当たりや逆恨み的な短絡感情で広がってしまったら・・・・と思うと、今回の歌舞伎町の摘発騒動の背景には、とても危険でデリケートな部分があることだけは、指摘しておきたい。

 それともう一つ。今回、「有事法」に見られる日本の立場というのは、国の基本姿勢や土台が大きく変わったことを意味するのだが、要は「軍事」の概念で自国の独立性を強調するのか、それとも「平和・強調」の概念で自国の独立性を強調するのか、ということだろうと思うし、日本だけが先進国の中では後者を選択できた唯一の国だった(戦争による唯一の被爆国という意味において)。もち世界情勢というものが激動(?)し、こういう非現実的な選択が不可能になっているのは事実だが、この選択が今回にようにいとも簡単にコロッと変ってしまった(笑)ことは、しかし、筆者にはテレビ番組の題名じゃないが、極めて大きな「世界遺産」ともいうべき人類史上のかけがえのない大いなる価値を、日本自らの愚かな選択で、ドブに捨てたような気がしてならないのだ。
ま、とはいえ、一方でこうなってみて分かることは要は「金」だったかな、と(笑)。バブル景気に浮かれて国民資産が世界一になった日本は(今でもそれが続いているが)黄金の国ジパングであることに変わりなく、平成に入ってから他国の犯罪者たちによって身ぐるみ剥がされている状況が「今」なわけである。加えて、明日は何が起こるか分からないという(悪い意味での)刹那主義と金権至上主義が、具体的には阪神大震災とオウム真理教事件で加速され(たといわれている)、自国にかつてないモラル・ハザードが生じてきた。7月5日及び6日現在、高価なさくらんぼの盗難事件が報道されている。これなどは、かつては天候以外には被害が及ばなかった分野だ。ヤミ金関係の「090金融」なども、もちろんこの手の犯罪は大昔からあったのだが、「弱い者を徹底的に痛めつける」という点では(この言葉は軽々に使いたくないが)新しいのだ。それだけ凶悪・狂暴化していて、モラル・ハザードも最たるものである。いってみれば僕らは、国も武装化しなくてはならないほど、日本人犯罪者という自国民から「戦争」を仕掛けられている状態。二重の「戦争」の危機(笑)なのである。一般市民までが金に群ったバブル、それを狙って自国の民までもが「何でもアリ」の犯罪者と化し、互いにかつてないほどの「金」の奪い合いをしている・・・・つまり(筆者には)つまるところ諸悪の根源が「金」ということを考えれば、まだバブルは終わってないような気がする。バブルに絡んで、今は「金を奪う側の方が強い」状態にあるような気がするのだ。今の日本人というのは、外国人から見れば、「自衛力を全く持たない金満家」で、そうして、それまで自衛力を持たずとも、世界でも有数だった治安が、見事なまでに崩れた国というか社会に見えるだろう。逆にいえば今は「武装の時代」なのだ。本当の経済原理からいうと間違っているのだが、文字通り「弱肉強食を味あわされている時代」なのだ。こうした深刻な社会状況、筆者にとっても、初めての経験ですぅ。

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