ドラゴン今中の夕やけ風俗少年VOL.9『春日部・後編』
前回、風俗激戦区埼玉県『春日部』にて、ボッタクリ店とは知らずに怪しいピンサロに入ってしまった今中であるが...。
「いや、だからもう受付で1万円支払ったのに、なんで追加料金を出さなきゃならないの? おかしいじゃない」
「......」キツく返されムッとした表情を見せるM。するとまた立ち上がって奥へと引っ込んでしまった。なんなんだ、まったく。
また5分くらいすると今度はさきほどのパンチパーマがやってきた。
「お客さん、どうされました」とくにドスをきかせた風でもなく、淡々とした口調で応える。
「どうされたも、こうされたも、追加料金ってどういうことなんだよ。おかしいじゃん」
「なにがですか? 」
「ピンサロでサービスが別料金なんて聞いたことないよ」
「でもお客さん、うちは30分飲み放題で8千円なんですよ」
「だってピンサロなんでしょここは...」
「まぁそうなんですが、隣にちゃんと女の子はついたでしょ。普通に触ったりキスしたりはできますから」
「それは言い逃れだ」
「お客さん、それ以上文句言うなら帰ってもらえないですか」
もちろんすでにサービスを受ける気力はまったく失っていたが、支払った1万円がどうしても惜しい...。店員はとっとと消えていてポツンと一人残された形。どうにも居たたまれない。
店を出てからも腹立たしさは消えず、ダメ元で駅前にある交番へと駆け込んだ。
「かくかくしかじか...といったわけなんですよ」
前田吟に似た中年の警官は真剣に耳を傾けてくれてはいたが...。結論として「そういった金銭に関するトラブルには介入できないだよね〜」と、言い出した。
「ボッタくり条例に引っかからないんですか、あれは? 」
「う〜ん、あのね、ボッタくり条例に関しては新宿とか上野なんかの大きな繁華街に限定されているんだよ。春日部じゃちょっとね」ボールペンで頭をかきながら苦い顔をする警官。
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