野望の帝国 野望の帝国

風俗情報

 『渋谷3』(2)
「じゃ、やる? 」
「え、ああ」
 シャワーを一緒に浴びるのを断固として拒否され、さらに暗
い気分に浸る。いや、もうちょっと押しを強くしていたら、一
緒に入ることも可能だったかもしれないが、そこまで粘る気に
はならなかったのだ。それにしてもHの異様な煙草臭さには閉
口する。おそらく重度のヘビースモーカーなのであろう。 
 シャワーを浴びて出てからも、煙草を吸ってやがるし、この
女の根性はどこまでひんまがってやがるのか。
「あっ、あのさ」
「なに...? 」
「なんかお腹すいちゃってさ、おにぎり食べていいかな」
「......」これにはちょつとカチンときた。
「それはないんじゃないの...いくらなんでもさ」
「はぁ? 」と、眼を釣り上がらせ、憎憎しげな表情でこちら
を睨む。そして沈黙...。5分後、Hは黙って部屋の明かり
を消した。
 あまりにもムカついていたので、このまま黙って追い返して
やろうかと思ったが、やはり2万5千円の出費はでかい。でか
すぎる。仕方なく僕はHのヤニ臭い肉体を抱いた。もちろん完
全なマグロだったことは言うまでもない。

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