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風俗情報

 『上野2』(2)
「あだしもビールいただいていい? 」
「え、いや、ダメだよダメ…そんなお金無いし」ちなみにビールは一本千円。
「あぁ、そう、ふ〜ん。ケチなんだ…まだ若いもんね」と、勝 手に納得しているのり子。
「あの、キミは、その…いくつなの? 」まるでパンドラの箱 を開けるような質問を浴びせてみた。
「ん〜、今30よ。あんた、女性に歳聞くなんて失礼ね」
「……」言うに事欠いて、30歳とは偉いサバの読みすぎだろ。
オレより年下じゃね〜か。それにしても絵に描いたような展開 なので、嗜好回路が麻痺しており、いったいこの場をどうやっ て切り抜けたらいいか、即座に良い考えが浮かばない。そんな ときデブが口火を切った。
「あのさ、追加で5千円くれたらいいことしてあげるけど、どう? 」
「えっ、5千円? いや、オレ入り口で5千円払ったけど…」
「あれは飲み放題の料金なの。だから追加であと5千円よ」
 あっなるほどね、ここはそういう店なんですか。だが、もう気持ちはどうでもよくなっていた。正直怒る気力も全くナシ。
どうせこの女とは追加料金など支払わなくともチ○ポは勃たないのだから同じことだ。
「いや、帰るわ」と、言って立ち上がった。
「えっ? ちょっと待ってよ、お兄さん、ねぇ」
 と言う女の静止を振り切り、階段を上って夜の街へと飛び出 した。不思議と腹立たしさもまったく無かった。後で友人にど んなイヤミを言ってやろうか、最低でも回転寿司くらいは奢らせないと気がすまんぞ。
そんなことを考えつつ歩く上野の街は初秋の香りがした。

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