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  ナンパ地獄変(2)-2
下通りにある洋服屋から一人の女が出てくるのを見かけた。ピンクのカーディガンに黒のミニスカート。外見ちょっと派手なOLといった雰囲気だ。東京の渋谷辺りでは最近見かけないタイプである。オレは熊本第一のターゲットを彼女に決めた。
「ちょっとすいません、東京から来たんすけど…」九州に上陸してからこのセリフを何度吐いただろうか…?もう何の苦労もなくスラスラと出てくる自分が怖い。
「ハハハッ。何なんですか、えっ取材?」
「うん。そういうわけじゃないんだけど、熊本のコトをもっと
知りたいな〜なんて思っちゃて」アドリブをまじえた実に巧妙なトーク。
「ちょっとヒマしてたし…いいですよ」彼女の名は織枝、二十三歳のOLである。モザイクでよくわからないかもしれないが、笑顔が井上晴美似で典型的な熊本美人。熊本に着いて早々いきなり当たりだ。とりあえず喫茶店で一時間ほど昼下がりを過ごす。その後夕方から用事があるというので、携帯番号を交換し別れた。
 まあまあ順調な滑りだしである。こういう場合はあまり深追いしてもしかたない。次のターゲットを見つけるべく下通りから上通りへと徒を進める。オレの印象だが、上通りはどちらかと言うと下通りより落ち着いた雰囲気で、年齢層も高い気がする。しかも街自体が東京と違って小さいので行き交う人の歩調もゆったりだ。うるさい勧誘員やスカウトマンもいない…。まさに街全体がナンパしてくれ!と言わんばかりである。オレはこんな環境を待ってたのだ。
 ふと見るとトボトボと所在なげに歩くショートカットの娘が目に入った。オレも何のきなしに声を掛けてしまった。
「どうしたの、元気ないじゃない?」
「あ〜、アルバイトの面接にいっとったけんね…(知ってる方は熊本弁のアクセントでお読みください)」
「じゃあ、なんで落ち込んでるのさ」
「うん〜、多分落ちとっとけん…やりきれんな…」なるほど。早い話がバイトの面接における感触が悪かった。ということか。
「元気だしなよ。お兄さんがメシ奢るからさ」
「ホントに!お寿司食べたか…」
「ええっ」いきなり寿司かよ。しかしここで散財してもあとでHできれば十分もとはとれるのだが…。

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