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  ナンパ地獄変(3)-2
 確かに人も少ないが、狂犬のようなスカウトマンなどもいないので、声をかけるという行為は比較的容易いようだ。二、三人に声をかけたがさすがに平日の昼間とあって用事のある娘ばかり。やはり夕方まで待った方がいいのだろうか…などと考えていた時、駅方向へ向かう一人の少女に目がいった。上下ジャージ姿に金髪…という埼玉ルック?に身を包んだその娘はモー娘の後藤真希似である。
「ねえ、これからどこか遊びにいくの?暇だったらお茶でも飲まない」こんな感じで声をかけた。
「う〜ん。夕方から友達と待ち合わせしてるから、それまでだったらいいけど…」ヨッシャー、まずは浦和で一人ゲットである。
 彼女(良美)は高校を中退して今はプータローという実にいい身分の十八歳。今日は夕方から友達と飲みだそうである。
「バイトとかはやってないの?」
「だって…タルいじゃん…」う〜ん。特にヤンキーというわけではないらしいが、この舐めた態度が実にたまらん。これが埼玉の特性なのだろうか。彼女とはお茶を飲んだ後、携帯番号を交換して別れた。
 良美と別れた後、街中をひと回りしたがどうやら浦和には歓楽街らしい場所がない…ナンパできるようなめぼしい所が見当たらないのである。う〜む。県庁所在地にしてはどうもショボい感じがするのはオレの気のせいだろうか。時刻は夕方四時。そこで、ここは目先を変えテレクラにでも行ってみるか。と考えたのだが、どうやら浦和駅周辺には存在しないことがわかった。ここから一番近い場所にあるテレクラは北浦和駅である。まあ、北浦和と言えど同じ浦和市には違いない。オレは早速JRで北浦和へと向かった。
 言うまでもないだろうが北浦和駅もショボかった…。まあ、いくら街がショボいといっても、たぶん東京の植民地化によるベッドタウンということで住宅街が多いのだと思う。だとすればコールは絶対に期待できるハズだ。しかし…。鳴らない…。オレの入店した時間が悪かったのか、それとも客が多い時間なのか…。夜七時を過ぎてもまともなコールが一本も来ないのだ。
 正直焦ってきた。このままじゃ三都市制覇どころか、初日でドボンの可能性もある。と、そんな不吉な思いが込み上げて来たころ、突然電話が鳴った。
「もしもし…こんばんわー」どうやら相手は公衆コールのようである。

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