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  ナンパ地獄変(3)-3
 「こんばんわ。なんか周りざわついてるね。もしかして外からかけてるの?」
「そうだよ。今ねー池袋からかけてるんだ」はあ〜、なんでまた池袋なんだよ。
「あっそう…ここ浦和なんだけど…」正直落胆の色は隠せない。
「なんかね、池袋みんな話し中ってことで、こっちに回された。お兄さん今ヒマ?」
「いや…ヒマっつっちゃヒマだけど。ここ浦和だぜ」
「浦和なんか近いよ。埼京線で一本じゃん」(*編集部注 正確には違います)
「そうだけどさ…」電話の相手は加奈子、十九歳のフリーターで遊ぶ相手が欲しかったらしい。しかも一時間くらいなら待つという。どうするか…行ってもしブスだったら…いや、それよりもいない確立の方が高い…。
「携帯の番号教えるからさ…」そうだ。今はそういう便利なものがあったのだ。これでスッポカシの確立は減ったが、当初の目論見とはかなり違ってきた。しかし、それはそれでいいのである。ナンパなんてものはその時々で臨機応変に対応できなければ、うまく行くものもうまく行かない。オレは読者、編集部も完全に無視するような勝手な論理のすり替えによって池袋へとやってきた。
 西口駅前で待つこと五分。やってきたのはアイドルの安西ひろこをちょっとブスにしたような娘であった。まあ、テレクラにしちゃあ悪くない。オレと加奈子はイタ飯を食ったあと、西口に最近できたというこじゃれたラブホで夜を満喫したのであった。
 まあ、確かに読者様のブーイングも覚悟はしています。しかし…。コールを受けたのは北浦和だったのですからこれはこれでOKでしょう。と、まあへたな言い訳ばかりしていても仕方ない。日を改めて次は大宮へと出撃であります。
 埼京線のホームを上り駅の改札を出ると、予想をはるかに裏切るような都会に圧倒される。大宮を県庁所在地と間違う人間がいてもおかしくない。人の流れも浦和とはひと味違うようだ。そして浦和での失敗を取り返すべく、今回は慎重にホテルも事前に予約した。これならいつ女をゲットしても連れ込めるという寸法だ。
 そごうや丸井などの立ち並ぶ西口周辺は買い物客でそこそこ賑わっている。ここは手堅く買い物帰りのギャル(死語)を狙うのが妥当な作戦であろう。何人かに声をかけた後、つい反射的に鈴木杏樹似の女子高生に声をかけてしまった。しかし…こういう娘に限って反応がいいから困ってしまう。とりあえずお茶だけしてお帰りいただいた。(惜しい)。

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