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  ナンパ地獄変(7)-1
ナンパ地獄変 VOL.7 山形県

暑いね。ムシムシするね。じっとしてるだけで汗がダラダラ。こりゃあたまらん。つ〜わけで、ちょっとでも涼しい地方に行きたいというわけで今月は東北シリーズ第一弾・山形だ。しかし山形と言われても全然ピンッとこないね。無理やり思い浮かべるとしてもさくらんぼぐらいがせいぜい。あとビートキヨシか…。じゃあなんでこんなマイナーな都市を選ぶのか。と、言われると新幹線が通ってるかんね。近いんだよ意外と。そんだけ…以上。

 徹夜明けの重いアタマを抱え東京から約三時間。やたら冷房の効いた車内では東北訛りのオバチャン連中が、やたらでかい声で近所の噂話しをがなりたてている。くそっ、これじゃあまったく一睡もできねえじゃね〜か。注意しろよ乗務員!などと爆発寸前の怒りを押さえているともう山形だ。ねむっ。
 新幹線を一歩降りると…うぅっなんだよ、このムッとするような熱気はよ。暑いじゃね〜か。甘かった、実に甘かったよ。北に上れば多少日本の暑さも緩和されるかと思いきや、まったく東京とかわらん。ホテルに荷物を置き、とっとと街に繰り出したいところだが躊躇してしまう。とりあえずホテル周辺で情報収集でもするか。
 聞き込みの結果、どうやら山形一の歓楽街は七日街という場所であることが判明した。ここは地元でもナンパスポットとしてかなり悪評高い場所であるらしい。そうと聞けばぜひとも行かねばならない。オレは早速タクシーを飛ばした。
 まあ印象としては町田とか葛西あたりを水で薄めたような街かな…。とにかくメインストリートも三百メートルくらいだもん。いきなり不安がよぎるが、こういう時こそが腕の見せ所と言えなくもない。前から歩いてきたペイズリーのワンピースを着た娘からアタック開始だ。
「こんちは〜雑誌(ブブカ)の取材なんですけど〜」
「はあ?」MAXのレイナっぽいフリーターのキミちゃん二十歳である。

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