野望の帝国 野望の帝国

風俗情報

  ナンパ地獄変(9)-4
 こうして名古屋初日は終わった。テレビでは東海地方に降り続く雨がエライ大事のように伝えられていた。こんな日を選んで来ちまったオレっていったい…。そういや山形も仙台も雨が降ったような…ブルルッいや、変なこと考えるのはやめよう。
 二日目。朝方こそ雨が残っていたが昼ころには回復し快晴となった。いよいよエンジンをかける時が来たようである。栄から大須方面に向かうメインストリートを歩いているとちょっと陽気(頭の軽そう)な娘と目が合い、思わず声をかけてしまった。
「ちは〜なにやってるの…」
「おっと吃驚した〜」(加奈子 十九歳、専門学校生)
「元気やな〜学校はどうしたの?」
「昨日の大雨で休校なんですよ…ガックシって感じでしょ」
「だったらお兄さんとお昼ご飯でも食べる?」
「えっマジ…奢ってくれるんですか、超うれしい」というわけでオレの宿泊先にあるレストランで食事…。なにげにうまく行き過ぎである。しかもその後「オレここのホテルに部屋取ってあるんだ…」と切り出すと。
「あっ行きたい…行く行く」と面白いように簡単に事が進んでしまった。いや、実際うまく行く時というのはこんなもんでしょ。とりあえず加奈子のちょっと太めの肉体を味わった。
 買い物をしたいから…と加奈子と別れても時刻はまだ三時過ぎたばかり。続行だ。しかし名古屋の交通機関は昨日の雨によって完全にマヒしている状態。JRだけでなく名鉄や地下鉄もまだ動いていない。加奈子のように自転車通学やマイカー、バスを利用する以外に街へ出る手段は無いのである。よって名古屋市内はかなり人が少ない。
 昨日と同じように地下街を散策しようかと考えていた矢先、アンニュイな雰囲気を漂わせた娘を発見、ダメ元で声をかける。
「あの…電車まだ動いてないよね…」
「えっ?ええそうですね」
「よかったらお茶でも飲まない?」
「い、いいけど」オレの経験上意外とこういうとんがった娘は落ちる傾向があるね。亜由美(二十歳、洋服屋勤務)今日は仕事がオフなので遊びに来たらしい。
「電車止まってるでしょ」
「うん…」
「困らないの?」
「別に…家、すぐ近くだし」
「そう…」
 おいおい会話が終わっちまったじゃね〜か。やっぱりこういう娘は苦手だわ。結局お茶飲んでバイバイ。こういうこともあるさ、気を取り直してナンパ続行だ。天気もいいしテレビ塔の方へ散歩がてら歩いてみるか。しかし名古屋は道が広くてドライバーも運転しやすいだろうな。などと考えつつ自販機で買ったコーヒーを飲んでいると。オーバーオーを着た家出少女風の娘とバッタリ視線があった。なにやら向こうも手持ち無沙汰というか、暇そうである。

[前のページへ] [ドラゴン今中TOPへ]  [次のページへ]


Copyright(c) 2003-2004 YABOU NO TEIKOKU All rights reserved.