■ ナンパ地獄変(9)-3 |
「雨降ってるからさ、そこの店の前まで行くよ」なかなか親切じゃないか。オレは取るものもとりあえず、速効で店を出た。なるべくなら女の来る前にちょっと遠くから顔を確認したいという目論見もある。店を出て数メートルほど離れたパチンコ屋の前で待つことにした。それにしてもひどい雨だ。どしゃ降りとはこの事を言うのであろう。
待つこと五分、ピンクのスーツを着た女が雨の中を小走りにやってくる。その顔は…なんと表現したらよいのか。一言でいうと『ジャワ』といった感じだ。芸能人で例えるならルビーモレノと保田圭を足してアジャコングで割ったような顔、まさに原人。オレは何事もなかったようにその場所をそっと離れたことは言うまでもない。
雨は依然強く、激しく降り続いている。傘をさしていても服は濡れ、すでにブーツの中にまで水が入り込んで来ている。これで今日は終わりなのか。そう思うと無性に寂寥感が襲ってくる。読者様にも申しわけが立たない。どうしたらいいのか…と、そこでふと閃いたことがあった。名古屋と言えば言わずと知れた風俗のメッカである。特にファッションマッサージ、ヘルス、性感などに関しては評判が高い。そこで今回ヘルスに行って本番行為に挑戦しようという寸法だ。
これはひとつの賭けではあるが、ナンパが不可能なこの状況とあれば、多少危険なことをしてでもなんとか記事を作らねばなるまい。よし、できたら写真も撮ってこよう。オレは決意を堅くし、いざヘルスへと出撃することにした。
名古屋マンゾクを熟読し、オレが選んだ店は三十分八千円と比較的リーズナブルなS。オレは写真でエリちゃんという娘を指名した。と、いっても今日来てるのはたった二名。まっこのどしゃ降りじやあね。三分もしないうちに部屋へと案内される。いよいよだ…。
「あれ〜前にも来たことあったっけ…」お決まりのセリフであるが、ここは調子を合わせておく。
「記憶力いいね〜、そうそう確か春頃だったよね」もちろんウソ。
「ちゃんと憶えてるんだから…うふふ」
「あんとき確か…本番やらせてくれたよね」このセリフは自然
に出さなければ失敗する。さあどう出るか。
「えぇ〜そうだったっけ。でもダメだよ」口ではそう言ってても怒っている素振りはまったく見せない。これはもらったぞ。
シャワーを浴びた後はもう言葉を発する必要はない。こういう風俗嬢に対して「入れてもいい?」などと聞くのは愚の骨頂。野暮というものだ。キスを終えたらもう自然と、普通のオンナにしてやるのと同じようにSEXしてしまえばいいのである。当然エリもスンナリやらせてくれたのだった。
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