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ナンパ地獄変 VOL.13 岡山県
きびだんごっ!てなわけで、今回の舞台は岡山である。岡山と言ってもね〜、おかやま。んん、自分でもその予備知識の無さにちょっと吃驚だ。倉敷じゃん。と言われれば。あっそうか。とも思うが、じゃあ倉敷ってどんなとこなのよ。と、聞かれたら全然こたえられないよ。まいったな〜。もう一度地理を勉強やり直さなきゃな。
岡山駅に一歩降り立ったオレを強襲する寒さ。せめてこんな時期だから東京より南へ行こう、というオレの浅はかな気持ちを嘲笑うように吹きすさぶ北風。かーっさみ〜。思わずコートの襟を立てる。何といっても冬場におけるナンパで一番の敵と言ったらこの寒さだな。(夏は暑さだけどね)まずはこいつを何とかしないと。と、言っても特にこれといった得策があるでもなし。仕方なくトレナーを二枚重ねて着る。
駅周辺にはビブレなど若者の集まりそうな場所もあるが、いかんせんこの寒さじゃあまり人通りも期待できない。時刻は十二時を少し回ったところだが、ホテルを出た途端いきなり弱気のムシが騒ぎ出す。まいったな〜。着いてからわずか十分しか経過してないというのに…。とりあえず風俗誌でテレクラの場所だけは確認してある。まっまさかこんなに早くテレクラに逃げるんじゃないでしょうね…と、いう読者の嘆きが聞こえてきそうだが、仕方ない。背に腹はかえられないのだ。
ホテルから徒歩二十分、やっとの思いで辿り着いたテレクラであった。築三十年は余裕で経っている老朽ビル二階。ここでやっと勝機が開けるかも…という願いは虚しく、フロントの男が吐いた言葉はあまりにも絶望的であった。
「全然鳴ってないからやめほうがいいよ」そう吐き捨てると、さっさとテレビ画面へと顔を向ける。
「うっそ〜」シワシワのワイシャツを着た四十絡みの男はオレには目をくれようともしない。こりゃ駄目だ。コールが無いのは仕方ないかもしれん。しかしあの客を客とも思わない態度は心底腹が立つ。客商売をなんだと思ってるんだクソッ。と、頭に血がのぼってくると、段々と寒さにも慣れてきた。表町商店
街というアーケード街で声をかけてみるか。
それにしてもこういった地方都市に来るたびに感じるのは、これだけ人が少ないのによく街が成り立っているな。ということだ。東京生まれのオレとしては人事ながら心配になってしまう。余計なお世話と言えばそれまでだが。岡山もご多分に漏れずメインストリートにしてこの人の数だもの。
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