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  ナンパ地獄変(16)-3
それにしても今日みたいないい天気だと働くのがイヤになるよな。オレにとってはナンパも仕事の一環だから仕方ないっちゃあ、仕方ないんだけど。暑くもなく寒くもないこの季節は一年のうち本当に少ないからね。
 午後3時近くなり、若干だがオレの中に焦りの炎が灯り始める。昨日は雨にもかかわらず二人ゲットできたことを考えるとペースダウンは明らかだ。このへんでなんとか当たりを引きたい。
中央公園へ向かう通りで、水色の目立つカーディガンを羽織った娘を発見。反射的に声をかける。
「こんちは。千葉商科大学ナンパ愛好会のものなんですけど…」
「はぁ? 」
「いや、その、ヒマかな〜と思って」
 一応誘いには乗ってくれたハルカ(21歳)はキャバクラ嬢である。どうやら出勤前に買い物でもしようと考えていたらしい。早速スカイラークでお茶。
「千葉にもキャバクラはあるんだね」
「え〜ありますよ。今度来てくださいよ」と、言って店名の入った名刺を差し出す。
「あっうん…。キミが最後まで付き合ってくれたらね」
「ムリムリ…ははは」そうだよな。考えてみればすぐにヤラせるキャバクラ嬢なんて皆無だし、彼女を誘う男なんざ山ほどいるもん。なんだか冷静になると口説くのもバカらしくなりとっとと帰ることにした。はぁ〜。
 午後5時、一旦ホテルに戻って対策を練り直す。どうしようか、やはりテレクラに頼らざるを得ないのか。徐々に腹も減ってきてるし…結論が出ないままも、もう一度街へと繰り出すオレ。ドトールでパストラミサンドをアイスコーヒーで流し込み腹を満たす。
 足は自然とテレクラのある方へ…。しかし煌煌とついたテレクラの看板を見上げ、今一度思い直す。時刻は午後六時、まだ早い。テレクラはストリートナンパが玉砕してからでも遅くはない。最後の切り札に取っておこう。
 腹をくくりオレはまたしても駅方面へと歩を進める。すると極端に歩く速度が遅い白いジャケットを着たOL風の娘と目があった。

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