ナンパ地獄変 和歌山
新幹線で新大阪まで行き、そこからは特急『スーパーくろしお』で約一時間。和歌山駅に到着。梅雨時期にもかかわらず天気は快晴である。いや逆に暑いくらいだよ。
和歌山県といえばガイドブックによると高野山、那智の滝、円月島などみどころ満載の観光地として知られているらしいが、オレにとって一番印象深いのは林真須美のカレー事件だ。パブロフの犬じゃないが、和歌山と聞いてまず思い浮かぶのはあの毒婦の顔だよ。ようするにオレは和歌山を全然知らないということだわな。
駅に隣接するホテルに荷物を置き、とりあえず街を散策する。事前に入手した情報によると、柳通り(地元ではアロチと呼ばれている)という場所に風俗店や飲み屋が集中しているらしく、そこはテレクラなどもありそうだ。しかし時刻はまだ二時を回ったばかり。テレクラへ行くのはいくらなんでもまだ早いだろう。
また、ぶらくり丁という繁華街もあるにはあるが、以前存在したビブレが潰れた影響で、若い者があまり寄り付かないらしい。とするとナンパスポットは自然と近鉄百貨店のある駅周辺と柳通りの二つに絞られる。今回も苦しい展開になりそうだ。
駅から伸びているけやき通大りを歩いていると、ゆっくりとした足取りの女子大生風を発見。小手調べで声をかける。
「あの〜すいません」
「はい…?」
顔を確認せずに声をかけたのがまずかった。二十歳の大学生ヨシエはかなりのブサイクである。
「あの…、いや、その…」圧倒されそうなその存在感にしどろもどろのオレ。
「和歌山って、なんかいいとこですよね…」
「はぁ? そうですかね」
「み、みかんも美味しいし…」
「そうですね」会話がまったく成り立ってない。まっいいや。
それにしても平日の昼間とあって人が少ないな〜。駅から300メートル離れただけで閑散としてきたもの。これはアカンというわけで、もう一度駅へと引き返す。さすがに駅周辺は人も多いが、買い物に来たオバちゃん、座ってダベル高校生ばかりと、いかんせんターゲットになりそうな娘は少ない。それでもなんとか見つけた可愛い娘は白いラルフのベストを着ている。
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