コラム
〜連縛パーティ〜
ヒトミ女王様との奇妙な緊縛プレイ
どうしても主従関係のようなことが苦手なだ。だからSMというものにはどうしても違和感があった。とくにステレオタイプのSMスタイルは苦手で、「跪いて靴をお舐め」などというセリフを聞くと、噴き出してしまいそうになる。それは昔からそうで、卒業式や葬式などとくに厳粛な雰囲気のときに笑い出してしまうようなところがあったのだ。そのため、あの芝居じみたSMの世界がどうもダメなのだ。
しかし、このところSMも一般化してきたようで、居酒屋などでもお前はSなのかMなのかといったことが話題になる。よくよく考えてみれば、自分にはS性もM性もあるんじゃなかろうかとは思う。しかし、具体的なプレイでどういうことをしたいのかといえば、それは既存のSMの中にはないことに気づいた。
ただ、そんな中でも緊縛には少しだけ興味があった。そこで、SMのショーを見に行ったりしていたのだけれど、どうもそこで展開される緊縛はしっくりこない。縛られるのはMの女性であり、縛る側はSであるという暗黙の了解のようなものがある。僕などは女王様が縛られてもいいんじゃないか。あるいは、その場にいる全員が縛られるようなことがあってもいいのではないのかと思うのだけれど、そういうものに出くわしたことがなかった。
しかし、自分の中には何かモヤモヤとした思いがあるのだ。そんなことをヒトミ女王様(仮名)という職業女王様に話した。場所はある雑誌の忘年会の2次会だった。
「最近のSMクラブにはSとMを両方体験できるサービスもあるのよ」
彼女は親切にもそう教えてくれた。いや、しかしそれもやはり違うのだ。きっと最初から自分がSで相手がMというように立場が決まっているのがいやなのだ。そこで僕が
「たとえて言えば野球拳のようなSMがしたいんだよね」
彼女は興味深そうに聞き入ってくれる。周りの声がうるさいので、僕は彼女の耳元で少し大きな声で話した。
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