■マグロの独白(3)-1 |
水もしたたるいい女
ウエット・アンド・メッシーというフェチのカテゴリーがある。下関マグロはその第一人者だ。といっても、日本で彼以外にこの分野の原稿を書いてはいないから、第一人者というよりも「ひとりぼっちの青春」状態である。
一九九五年の暮れのことだ。インターネットに接続し世界のエロなホームページを見ているときにウエット・アンド・メッシーという変態のカテゴリーを知った。日本語で言えば、濡れフェチ、汚れフェチというやつだ。ウエット・アンド・メッシーという言葉は初めて聞いたのだが、思い当たるフシがあった。前号で書いたフードセックスもそのひとつだ。ウェットのほうも経験はあった。それはちょうど、一ヶ月前のことである。
自称タレントのタマゴだというH美と初めてホテルへ行ったときのことだ。例によって、写真を撮らせてと頼んだのだがH美は
「エッチしてもいいけど、写真を撮られるのはいや」
と、かたくなに拒否した。そこで、考えたのが下着姿でシャワーを浴びてもらうというもの。これがやってみると、ものすごくセクシーだった。それまで何も見えていなかった下着姿のH美ちゃんにシャワーをかけるとあーら不思議、なんとまあ乳首や陰毛までも見えているじゃあーりませんか。本人は一応下着をつけていると言う意識があるからさほど恥ずかしいという様子もなく、堂々とカメラに体を向けている。実際、フィルムを現像に出してあがってきたものはとてもセクシーであった。この時の経験というのがきっとウエット・アンド・メッシーではないかと思った。
その他にもウエット系で思い出がある。
都内でOLやっているY美である。先月号にも書いたが、マグロはレディースコミックに連載を持っていた。その連載で電話番号を公開していたのだが、それを見てかけてきたのがY美だったのだ。彼女は最初、自分はSMが趣味だと言っていた。実はマグロはSMが苦手だ。というのも、日本のSMというのは、なんだか決まり切ったパターンばっかりだもんな。つまり、縛ったり、鞭でたたいたり、浣腸したり、ロウソクたらしたりとかね。まあ、それもいいんだけれど、もっと心の奥底に違う何かがあってもいいじゃないかって思うのだ。そんなことを話すうちにY美は
「そういえば、小学生のときに服のままお風呂に入ったことがあって、それはちょっと興奮して、あとからオナニーした覚えがある」
というのだ。そうそう、そういうことが重要なんだ。Y美が小学校の低学年だったときにイトコの男の子2人とお風呂に入ることになったんだけれど、恥ずかしいもんだからTシャツに短パンでお風呂に入ったそうだ。もちろん親からはこっぴどく怒られてしまい、その後はやっていないんだけれど、ずっとやりたいと思っていたそうだ。