■マグロの独白(5)-3 |
と言う。もちろん、大丈夫、大丈夫。Kさんは覚悟を決めて足を少しだけ開いてくれた。そこには真っ白なパンティがのぞいている。おお、これこれ、とシャッターを切り続けた。そして、手を伸ばし太股にさわろうとすると
「あ、ダメです。……生理中だし」
とKさん。じゃ生理じゃなきゃいいのか。そう思ったが、まあこれ以上はやめておこう。撮影を終えて、再びテーブルに戻って話をする。
「私、風俗とかやって、そのレポートをしたいんですよ」
とKさん。なるほど。最近はそういう体験派のライターが増えたね。
「じゃあさ、風俗とかやる前にマグロとセックスしてさ、それをレポートするのってどう」
なんて聞いてみた。彼女はしばらく考えていたのだが
「でもね、私知らない人とやって、それをレポートしたいんです。知っている人だと照れちゃって」
おいおい、知り合いったって、今会ったばかりじゃないの。うーん、Kさんはどうもオレとエッチをするのがイヤみたいだな。それにしても、Kさんに限らずなんで最近の女性ライターは体験派のライターが多いんだろう。
「高校生の頃から、マグロさんとかの文章を読んでて、私もこういうのやってみたいなってずっと思ったんです」
へえ、読んでくれてたんだ。
「ええ、一番好きなのは村崎百郎さんなんですけどね。もう、あの人とだったらセックスしてもいいなって思うんです」
ふーん、そうか。マグロじゃダメなんだ、シュン。
「でもさ、オレ似ているんだよ村崎百郎に」
一応、オレは彼の素顔を知っている。彼もけっこうな巨漢である。
「でも、文章が違うんで。私本当にあの人の文章好きなんです」
「……」
なんとなくちょっとブルーになったマグロ。コージーコーナーのプチケーキを立て続けに3個食べた。どうしてオレはこうもモテないんだろうか。