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 新しい緊縛を模索する女王様(1)

 女性だけのSMサロンがあるのだろ聞いた。Libertas“リーベルタース”がそれだ。雑誌などでも何度も取上げられているので、ご存知の方も多いだろう。面白そうだが、女性専用ということで、僕などは入り込めないかと思っていたのだが、ひょうんなことで、ここの主宰者である狩野千秋さんとお会いする機会があった。

彼女は新宿ロフトプラスワンで月に1回開催されている「女の子だらけのSM大会」というイベントを主催したり、SM雑誌などでライターとしても活躍していらっしゃる才女である。しかも、縄師としてもかなりの腕前なのだ。頭の回転が早く、話していて面白い。そこで、僕が
「新しいタイプの緊縛なんてどう?」
 と持ちかけた。緊縛というとSMのひとつだと思われているけれど、そうでない緊縛があるんじゃないかと思っていたのだ。
「あ、私もそういうことは考えていたんですよ」
 と言うではないか。それじゃ、体験してみようよというわけで、我家にきてもらった。千秋さんは僕と同じくらいの背である。たぶん170センチ以上はある大柄な人だ。しかし、女王様とはいえ、人当たりはとてもやさしい。そのことを言うと

「あ、私はもともとMなんで」
 などとおっしゃる。うむ、おもしろい人だ。というわけで、まずは簡単に縛ってもらう。これまで、本格的に縛られるという経験はない。軽い縛りはあるのだれど、緊縛そのものはあまりピンと来ない。女王様に「おら、おら」とやられてもM性がない僕にはなにが楽しいのかよくわからないのだ。かといって自分が縛る側になるのも面倒だったりする。だからSMはどうも苦手なのだ。
が、千秋さんに縛られるとこれがいいのだ。まず、後ろからギュと抱きしめられる。背中に千秋さんの大きな胸が当たって実にいいかんじ。そしてスルスルと縄をかけていく。さすがにその手さばきはプロの縄師である。

手際いい。そのことを言うと
「最初のころはちょっと縛っただけで息が上がっちゃったんですけど」
とおっしゃる。相当、修行を積んだんだろうなぁというかんじ。こんな会話をかわしながら縛られるので、SMというかんじはない。むしろエッチなかんじだ。動けない状態になって乳首をもまれたりしているとなんだか自分が女の子になった感じがするよ。しかーし、これはこれまでもあった縛り方である。僕が提案したのは、「連縛」。つまり一方が一方を縛るというSM的なものではなく、お互いが全裸になって、いっしょに縛るというもの。つまりは抱き合っている2人をいちどに縛り付けるというものだ。まずは、顔と顔。これをくっつけて、ギュと縛り付ける。顔面が相手の顔面に押し付けられて少し苦しい。ところが、このまま舌をからめたりしてずっとディープキッスを強制的にしているような感覚だ。

これがいい。そこから全身を縛っていく。体が千秋さんと密着。さらにギュと縛られて、おもわず半立ちだったチンコが勃起。普通ならこのままエッチするということになるんだろうけれど、なんせ縛られているので、それもままならない。そういったもどかしさがなんともいえない。わずかに動く体でお互いがお互いの体で愛撫しあうのもこれまたおもしろいものだなぁと感じた。

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