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 「そういえば居たな、AV界でも悪徳プロデューサー列伝」(5)

『HメーカーのSさんの場合』
この方もイニシャルが同じになってしまいましたが、小恩人でもあると共に僕に職権乱用した人なのだ。
彼との出会いは、以前から『H』の専属監督さんに可愛がられていて単体レズ助演役でひと絡みさせてもらっていたのでメーカーによく出入りしていた。ある日の撮影前日、いつものように平日撮影の為に有給を会社に申請し自宅でもらった台本(アイドル看護婦モノ)に目を通している時に1本の電話が掛かってきた。Sプロデューサーからで、
「申し訳ありませんが、明日の撮影飛びました。女の子自体がダクションから飛んだ(失踪した)らしくって。また次の撮影決りましたら連絡入れさせてもらいます」
まあ、業界ではよくある話。ただ、電話を入れる所までは普通にスジを通してくれているのだが、「わざわざ…までしてくれるの」と感じる所まで彼はスジを通してきたのだ。駆引きになる仕事の案件があったにしても、この時点で少しは不信に感じてしまうような美味しい話だった。
当時、ちょうど『H』の社長と仲の良かった女王様のSMクラブで女王様留学させてもらっている時だったので、その旨をS氏に話すと、
「うちの社長が趣味で作っているSM作品に君出ない? この間の違約金払うんでとにかく会いましょう」
 だって。S氏は元々AV業界の人間ではなかったそうでTV・CMの制作を10数年やっていた人。きっとバブル期にはいろんな美味しい話が降ってきて職権乱用で自分のいいようにしてきた経験をいっぱい持っているだろう。フリーのAVモデルに違約金まで払って媚びる必要はないし、メーカーから違約金という形で金を引き出すコトも本来なら経費として認められない行為なはず(すごく横領し易い経費なので普通は認めない)。会った時に飛んだ日の日当5万円がそのまま違約金として支払われた(男優さんには絶対支払ってないと思う)。彼はSMレーベルの話を具体的に出し、
「ふーん、今女王様の勉強しているんだあ。しかも○○さんの店にいるんだあ。そっかあ、残念だなあM役だったら俺にキャスティングの権利あるから単体で80万円くらいで出してあげられるんだけどなあ。でも、S役でも日当最低8万円出してあげるよ。で、本撮影の前に、今度ギャラ払うんでカメラテストさせてくれないかなあ。女王様としてどんな雰囲気なのかカメラに収めたいんだけど…」
違約金もらってニコニコの僕は、怪しさには感づいてはいたけど「まさか、僕なんかにヘンなコトふっかけてくるタイプじゃないでしょ」と鷹を括っていてギャラ付きのカメラテストに二言返事でOKした。

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