「ねぇ、質問ってまだあるの？　そろそろ出勤したいんだけど」
　えっ、まだ始まったばっかりじゃん。もっとハードな話を聞かせてもらわないと。せかされるとあせるなぁ･･････。
――ゴーゴーボーイにセックスのテクニックはある？
「普通普通。お店がちゃんと指導してよって思うぐらい。私の知っている人なんてみこすり半でボーイがイッたってぼやいてたよ〜。あっはっは。それって最低よね」
――私なんかはつきあっていたボーイとセックスしているとき、たまに、『こいつのセックス、なんか仕事っぽ〜い』って思うくらい裏っかえされたり表にされたり、気分がしらけたことがあった。喜んでもらいたいって気持ちは分かるんだけど･･････。
「へぇ、なるほどねぇ。これは仲のいいボーイから聞いたんだけど、ノンケのボーイさんの場合、ゲイのお客さんだとやっぱり勃たないことがあるんだって。そういう場合はしごいて勃たせるって言ってた」
――あぁ、それは私も質問したことがあった。お客さんとセックスしているときは『女、女、女』ってイメージしながらセックスしてるって。ゲイの人が聞いたらイヤな話だろうけど。
「そうかもね（笑）」
――これからもゴーゴーボーイ通いは続けますか？
「う〜ん、あえて止めようとは思わないかな。だいぶ回数は減ったけど、行くのが習慣になっているし、知り合いもいっぱいいるから話をしに行くって感じになってるの」
――タイでは性産業に従事する人は、いくら貧しいとはいっても白い目で見られる人たちっていうのは知ってたんでしょ？
「うん、わかっていたけどハマリかけた当初はまだタイのことがよく分かっていなかったこともあってか、ボーイさんがお店の中にある仏さまにワイ（手をあわせる）をしているのを見て、カルチャーショックだったのね。たとえこういう仕事をしていても精神は汚れていないっていうのかなぁ。それを見たときに、これなら友達になれるかもしれないし、友達になってほしいなぁって思ったの」

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