■第3回 レディボーイ in BANGKOK 山崎つかさ(4) |
――その女性の体がどこまで手術されているかを把握して、あの子とならあういうプレイやこういうプレイができるっていうこと?
「うん、そういうことそういうこと」
――周りのレディボーイのお友達とセックスの話をよくしますか?
「話を聞くのはすごく好きですね。でも聞いているとやっぱりオカマなんだなぁって、元男だなぁってすごく思います(笑)。あんなことやこんなことしたわよっていう話からあそこの大小の話まで。もうそれが日常会話。それとレディボーイの人ってね、必ず男の人の話をするときにあそこの話からするんですよ。笑えますよ、ほんとに」
――でもゲイの人もそういうエッチ話を平気でしますよね
「そうそう。だからそういう意味ではゲイの人とまったく同じ。私はよく日本からいらした方をアテンドするんですけど、ゲイの人っておさかんですよね」
――ゲイの人に限らず旅行者の人って、来たからには楽しまなくちゃって思っているようなんで、普段以上に頑張っちゃうみたいですけど
「そうかもしれない。ただ、そういう気持ちにさせられる場所っていうのもあるかもしれない。とくにここらへんに関しては(取材はゴーゴーバーやゴーゴーボーイが密集する場所で行われました。タニヤ通りもこの近く)。ゲイやレディボーイの人は日本でカミングアウトできない人がたくさんいるじゃないですか。そういう人もここに来れば大手を振って歩ける、いつもの自分でいられるのかなって。私はそういうのを微笑ましく見ているんですけど」
――山崎さん自身は日本のニューハーフ事情をどのように見ていますか? 存在自体がタイよりもずっと珍しがられているからまだまだだなって思います?
「うーん、法律的に見ればいまの状況で充分だと思います。今年の7月に改定されて性転換手術をする人は自分の性別が選べて、戸籍までとれて結婚までできるんですよ、いまでは」
――えっ! そうなんですか?(無知なわたくし・・・・・・)
「はい。だから女性にも男性にも変わることができるし、そういう意味では進歩したというか、もう充分環境は整ったと思います」
「自分の信じた道をいまはわかってもらえる時代」
最近わたしが引っ越しをした先はいわゆる繁華街。この原稿を書くのに何度か外へ出かけたが、ゲイの人やレディボーイ、トムボーイと、場所柄、さまざまな性の形を見ることができた。存在は否定しないタイ人。ほどよい無関心。『性同一性障害』と騒ぎたてなくても、一般社会にとうの前からするりと溶け込んでいるなんでもありの自由な国。日本に住んでいたら、こんな状況がうらやましく映るかもしれない。
最後に、自分の性に悩んでいる人へ、アドバイスをもらった。
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