●ジャンル 駅前ソープ
●場所 新宿西口
●料金 45分8千円+3千円
某誌で、風俗のイメージがない街の風俗店に遊びに行くルポの連載をやっている。そのため、いわゆる駅前風俗と呼ばれる店にも、よく行った。確かにサービスしてくれる女性は熟女ばかりで、お世辞にもレベルが高いとはいえないのだが、時代から取り残されたようなレトロな店構えには、妙におちつくムードがあるのだ。フーゾクが風俗であった時代の空気がそこにはある。これからこの連載では、こうした駅前風俗と呼ばれる店を訪ねて行こうと思う。平成のフーゾクが失ってしまった何かを求めて。
さて、駅前風俗といって、僕がまず頭に浮かぶのは新宿西口にあった「個室ゆ西口」。若い頃は輸入レコード店が密集している新宿西口エリアを、毎日のようにウロウロしていた。そして老舗中古レコード屋「えとせとら」に行く度、その近くのストリップ劇場と「個室ゆ西口」が気になっていた。しかし、十代後半の僕は興味を持ちつつも、とても足を踏み入れる勇気はなかった。当時ですら、「個室ゆ西口」の店構えは古臭く、あきらかにいかがわしかったのだ。その後、風俗の知識がついてくるにつれ「個室ゆ西口」は駅前ソープと呼ばれる店で、ソープでありながらも本番サービスは無いのだとわかってきた。そして駅前ソープでは、女の子はおばちゃんばかりなのだということも知った。当時、足を踏み入れなくてよかったな、とも思った。
あれから十数年がたち、駅前風俗めぐりをしようと考えた時、「個室ゆ西口」を訪れてみようという気になった。単純にノスタルジックな気持ちだ。あちこちに大型輸入CD店が出来た最近では、新宿西口のレコード店まわりをすることもなくなり、あの辺りとは無縁になってしまった。「個室ゆ西口」は、まだあのままなのだろうか。
西新宿歩道橋通り入り口。ずいぶん様変わりしてしまった。
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