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風俗情報

 第4回 『過去に私に依頼された、困ったお店の話』
☆『過去に私に依頼された、困ったお店の話』

私は、『風俗コーディネーター』と言う立場から、色々な風俗店の方から嬢の手配を依頼される事も時には有る。
だが、私としては『スカウトマン』になるつもりは無く、あくまで『コーディネーター』なので余程の事じゃない限り、基本的にはお断りする事が多い。

ただ、話を伺った上で、場合によっては『風俗求人誌』の営業マンを紹介したりする事は有るし、私と『コーディネート契約』を結んでいる店舗に於いては、その店舗の経営状態を改善する一つの手段として、結果的に協力する事も当然有るが、『スカウト業』を専門にするつもりは、これまでもこの先も一切有りません。

とは言え、依頼してくる側にしてみれば、嬢の確保は切実である。

私自身も、その件に付いては嫌と言うほど認識しているので、一応話は伺ってみるのだが、どういう訳か依頼してくるのは、計画性の薄い『行き当たりバッタリ』で物事を考えている無責任な方が非常に多い。
今回は、実際に私に依頼をされた、そんな困ったお店とのやり取りに付いて記します。

〜ケース1 和歌山新内(アロチ)でオープン予定のセクキャバ(平成16年9月)〜

平成16年9月のある夜、以前から親しくしている和歌山在住の『りな』という娘から電話が有った。

その内容とは、ある人の紹介で、間も無くオープンする予定の『セクキャバ』で働く事になったのだが、その店で働く嬢がなかなか揃わないので、いつまで経ってもオープン出来ず本人自身も困っているが、その店のオーナーも非常に困っているので、なんとか力を貸して欲しいとのこと。

私自身、和歌山地区の風俗事情には、あまり詳しくなく、和歌山市内の歓楽街は新内と書いてアロチと読むって程度の理解力。

確かに大阪と和歌山は、隣接する府県には違いないが、和歌山の情報は滅多に大阪には入って来ない。例えば、関西地区の風俗情報誌に於いても、京阪神は勿論、滋賀県なども掲載店は多く有る程度の検討は付くのだが、和歌山に至っては殆ど掲載されて居らず、我々大阪在住の物にとっては、まさに近くて遠い場所というイメージが有るのです。

従って、全く気乗りはしていなかったのだが、頼まれると断りきれない性格ゆえ、後日に話だけでも伺う為、和歌山まで出向く事とした。

約束の日、私と『りな』は和歌山市の郊外で合流し、そのオーナーの待つJR和歌山駅の駅前に向かった。

駅前に到着し、そのオーナーと連絡を取ると、なんと近所の『炉辺焼屋』で呑んでいると言うではないか。

「おいおい、人を和歌山まで呼びつけておいて、呼んだ張本人はええ気分で酒を引っ掛けているって、一体どう言う事やねん!」

通常、こういった話しをする場合、喫茶店等でコーヒーでも飲みながらというのがパターンであり、正直なところ本気でムカついたが、私は、わざわざ大阪から来ている訳だし、コーヒーだけでは私に対して申し訳ないとでも考えてくれての事だろうと、勝手に都合の良いように解釈し気分を取り直してその『炉辺焼屋』に入ったのだが、私の目に映った光景は『すっかり出来上がったオッサン2名』・・・・・。これには、開いた口が塞がらなかった。

本来なら、この時点でブチ切れてサッサと帰るのだが、今回は『りな』の顔を立てて、一応話しだけは伺う事にした。

そのオーナー曰く、店舗の契約も終え内装もほぼ出来上がっているというのに、肝心の上の確保にメドが立たずオープンの日にちすら決められなくて困っているとのこと。

私はまず、求人誌に掲載をしてみてはどうかと勧めてみるが、求人誌ではアテにならないとの理由で拒み、次にインターネットの出会い系サイトを利用する事や、オーナー自ら街頭に繰り出しての『スカウト』等を提案するも、それらもやり方が解らない上面倒くさいとの理由で拒否。

では、一体何を求めてるいのかを尋ねてみると、私に『大阪等の都会で働いている様なレベルの高い嬢』を10人程、紹介して欲しいと・・・・・・。

ムシが良いのにも程が有る!『コーディネーター』としての私と『業務契約』を交わす意思が有るのなら最大限の協力はすると述べると、月々の『コーディネート料』を支払う余裕は無いという返事が・・・・・。

私から言わせれば『タイムスケジュール』を事前に作成して、それに沿った行動をしていれば、嬢の確保にも余裕を持って対処出来たはずだろうし、少なくともオープンの日にちが決められないという馬鹿げた事態にもなっていないだろう。

経営者とは、人より頭(知恵)を使い、また体(すなわち労働力)も人より多く使わねばならない。ほかにも神経(気遣い)や金(勿論、生きたお金)も他の者より沢山使って当たり前だというのに、このオーナーは全てに於いて中途半端であり論外である。

仮に私が『スカウト業』を専門としていたとしても、オープンの予定日すら決められない計画性の乏しい店には、嬢を紹介する訳にはいかない。

『りな』には申し訳ないが、この話しは当然ながら断らせて頂いた。

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