|
|
| ■第８回 風俗業界に携わる人々の裏話（1） |
1某ホテル型ヘルスのオーナー・橘明弘氏（仮名）
「以前は、大国町でマンヘルを営んでいたのだが、取締りが厳なってホテヘルに変えたのですよ。」
そう語るのは、大阪難波のホテル街に事務所を構える某ホテヘルのオーナーの橘明弘氏（仮名）である。
この橘氏の言う大国町とは、かつて新大阪や日本橋と並ぶ大阪のマンヘル三大聖地と呼ばれ、最盛期には約50軒ものマンヘルが有っ
たが警察や地元住民による浄化作戦により、現在ではほぼ壊滅状態。その多くは場所を難波に移してホテヘルとして再出発。この橘氏もその一人である。
そもそも橘氏が何故、風俗業を営む事になったのか。その理由を尋ねてみると、
「25歳の時に付き合った女が偶々風俗嬢で、その女の話を聞くうち俺にも出来るのでは？と安易に考えて・・。」
当時は風俗の世界に対し全くの素人だった橘氏だが、交際していた女性から助言を受け11年前に大国町でマンヘルを開業させたのである。
「それまでは普通の会社員だったから、今までの自分の月給を遥か
に超える金額が毎日の売上として入って来る訳だから、そりゃ笑いが止まらなかったですよ。もっとも開業時の資金は、全て当時の女が用意してくれたから、最初のうちは利益の大半を持っていかれましたけど、それでも月給は70〜80万は下らなかったですね。」ここまでの話では全てが順風満帆の様だが、当然ながら苦汁を舐めさせられた事も時には有った。
「開業時は、自分の女やその友人達が風俗嬢として在籍してくれたのだが、女と別れた途端殆どの風俗嬢が自分の下から離れてしまっ
て、客は来るのだが肝心の風俗嬢が居なくて商売が上がったりという日々が2ヶ月近く続いた事があって、その時だけはホンマに辛か
ったですね。」
商品でも有る風俗嬢の確保には、全ての風俗店の共通の課題であり、橘氏も例に漏れる事無く頭を痛めた経験が有るようだ。
その後はマンヘルからホテヘルに商売変えしたものの、確実にステップアップをしてきた橘氏の現在の収入は驚愕する金額である。
その件について橘氏は真顔でこう述べた。
「ここまでの収入になるまでは、並大抵じゃ無かったですよ。ほんの半年前までは、休みらしい休みも殆ど取らず、俺自身が常に現場
に出ていましたよ。客だけでは無く店の風俗嬢にまでも謙り、常に周囲に気配りをする日々でしたね。だから俺の給与の半分以上は、
我慢料ですよ。」
とは言え、我々一般人からすれば羨まし過ぎる金額である。
最後に橘氏に、この仕事ならではの女性面でもオイシイ話に付いて伺ってみた。
「人並み以上の収入も有るし、まして仕事が仕事だから、女には困りませんよ。でも、最近では仕事柄のせいか女の本性が見えてきて、正直ウンザリですね。」
最後の最後まで羨まし過ぎる台詞である。
余談だが、このホテル型ヘルスとはデリヘルの進化形として大阪ではすっかり定着しており、その勢いが更に加熱し昨今では東京でも新宿や池袋といった歓楽街にも続々出店。その広がり方は日本全国あらゆる地に広がりを見せており、現在最も熱い業種である。橘明弘氏（仮名）プロフィール
昭和42年生まれの38歳。大阪商人の父母の影響からか、商売理論を熟知している。ただ自身の商売に没頭するあまり仕事以外の事には一切関心を示さず、未だに花の独身である。
2風俗無料案内所のオーナー・水野英明氏（仮名）今や、賑わいを見せる歓楽街の風物詩とも言われている風族無料案内所は、専門的な知識を要せず、どちらかと言えば素人にも参入し易い業種である。風俗店が密集する地域に出店さえすれば、情報を求める客は必然的に来店するのは間違いなく、それらの客を契約
する風俗店に連れて行くだけで広告料として一定の収入が見込めるので、有る意味一番効率の良い業種と言えよう。
この無料案内所を営む水野氏に詳しい話を伺ってみた。
「私自身も脱サラをして風俗店を経営したかったのですが、風俗遊びは好きだが何のノウハウも無く、風俗嬢の確保等の問題からキッ
パリ断念したのですけど、何とか風俗に関わりたいと言う思いから無料案内所をする事を思い付いた訳で、結果的には大正解でしたね。
サラリーマン時代の給与とは比較出来ない程の大幅な増収だけでなく、契約を頂いている風俗店から時々タダで遊ばせて貰えたりと、
私としては趣味と実益が兼ね揃った今の生活に満足しています。ただ、時にはノルマを達成出来ずに契約店から叱られる事も有ります
が、私にとっては最高の仕事です。」水野英明氏（仮名）プロフィール
昭和36年生まれ。瀬戸内海に浮かぶ小さな島で育ち、中学卒業と同時に広島で就職。以後、転勤で大阪に移り住み一昨年に脱サラ。現在に至る。
