■ ハイジア横(2) |
「たちんぼバンザイ」
とにかくオイラはこの年になっても好奇心が衰える気配がまったくない。気になることがあれば、まずは経験してみる。こうした行動パターンはもう体に染み付いてしまっているのでどうしようもないのだが、幸いにもこの性格がライターという職業にはことの他向いているようである。こうした性格ゆえに「これをしたらこうなる」とか「こんなことしたら次はこうだ」などと算段することもない。すべての結果は出てのお楽しみなのだ。
オイラの風俗遊びもやっぱり「まずは経験してみる」というスタイルが基本となる。風俗情報誌に原稿を書いたこともあれば、編集者として本を製作したこともあるクセに、まったく活用したこともなければ読んだこともない。そんなオイラが、ある日時間をもてあまして出かけた先は新宿は歌舞伎町。別に風俗に行く気はなかったが、ただ深夜の歌舞伎町を一人でフラフラしていたときのことだった。終電も出てしまったあとは一気に人口が減る歌舞伎町。特に平日深夜の歌舞伎町は歩きやすくてよろしい。
ゲーセンで遊んだり客引きのニーチャンをからかったりしながら徘徊しているうちにたどり着いたのが歌舞伎町の奥。歌舞伎町の奥には交番があり、その隣は大きなハイジアというビルがある。ココのビル自体は深夜営業するわけでもなく、夜中に使えるのは地下の駐車場くらいのもの。オイラはいつもその地下駐車場に車を止めるのだが、この地下駐車場への夜間通用口付近は知る人ぞ知る「たちんぼ」のメッカなのだ。50メートル程度の植え込みに沿っていろいろな国籍のたちんぼたちがうごめいている。しかしながら、この場所、夜ともなるとかなり暗く、たちんぼの顔は1メートル程度まで近づかないとよく見えないほど。この場所を行ったりきたりするのが大好きなオイラ。歩きながら横目でチラチラとたちんぼたちの容姿などをチェックする行為がたまらなくスリリングで好きなのだ。
このハイジアからは歩い5分も行けば新大久保のたちんぼゾーンにいけるという場所にある。新大久保といえば、やはりたちんぼで有名なゾーンなのだが、こちらは小さなラブホテルが密集している路地にあり、とあらゆる国籍の「女性」が立っている国際色豊かな場所だ。白人もいれば黒人もいる。ただ、オイラはこちらにはあまり興味がなく、なぜかその暗いハイジア横が肌に合うらしい。それはなぜか?ハイジア横にはいろいろな国籍の様々な年齢のたちんぼがいるのだが、それに加えていろいろな性別の人が立っていらっしゃる…。まぁ、それを知ったのはある事件がキッカケだったのだが。
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