■「こんな商売してみたい?」(5) |
まず第一にどんな状況でも勃起すること。敬語がしっかり使えること。セックスできなくてもガマンできること。この男性は新聞に広告を出しているが、あくまでもカップルの客を募集しているだけ。しかし一日に何件も「自分も雇って欲しい」という電話があってウンザリしているとも言っていた。こうした、連中を最初は面接していたものの、100人来ても使えるのは1人いればいいほうだと教えくれた。それほど「セックスができて金がもらえる」と単純に考えている輩が多い証拠だ。
細かく言えば「相手の男性を呼ぶときは必ずご主人様と呼ぶ」「ホテル内で何があっても他言しない」「主導権はカップルの女性にある」など数えればきりがないほど。こうしたノウハウを把握し、少なくとも最低限の礼儀とチンポの立ちを持っていないと成り立たない。たとえ面接をして雇っても、その場に行くと勃起しない男があまりにも多いと言う。その点では、いきなりラブホテルの違う部屋から覗きにやってきて、誘われる前から勝手に勃起し、セックスして帰ったオイラは合格したのだろう。普通は、覗いてもやらないだろ。まぁホテルに入った状況が恋人同士とかいうワケじゃないというのもあるんだけど。それにしても、あれだけの時間でオイラを助っ人として頼むとはよほどの人材不足かのか?
そんな経緯で、ごくたまに3P屋の手伝いをしているわけだが、実際に派遣されるのは深夜、さらに都内のラブホテルがほとんどだ。料金はカップルから3万円のほかに交通費として1万円程度もらえる。そして、その中から1万円を3P屋である男性に渡すのだが。自分の車で移動すれば、交通費は丸儲け。セックスして3万円なら悪くない、というよりも超ラッッキーと思うでしょ?でも、そこは商売。こちらは客を選べないのですよ…。
「後ろ向いてろ!」
3P屋から電話があり初めて派遣されたのが鶯谷のラブホテル。部屋に入るとそこには角刈りの男性(推定45歳)と茶髪の絶対元ヤンキーであろう女性(推定28歳)がいた。女性はウェーブのかかったロングでケバいがいい女だ。胸もDカップはあるだろう。これは、最初からツイてるぞ!!とワクワクしながら色々と想像する。もうチンポは半分元気になっている。準備OK!挨拶してから、雑談でもと思ったらいきなり角刈りの男性が
「お前、ちょっと後ろ向いてろ!」
とご希望。言われるままに壁に向かって後ろを向いていると、なにかゴソゴソと物音。5分位して
「もういいぞ」
と言われ、振り向くとテーブルの上には・・・注射器と小さなビニール袋。さらにコップと銀紙・・・ってアナタ・・それはアレですよね?と聞けるはずもなく見てみぬフリ。そして女性が
「アナタ、シャワーは浴びなくていいから」
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