ナンパ地獄変(18) Date: 2003-04-22 (Tue) 
ナンパ地獄変 和歌山 




 新幹線で新大阪まで行き、そこからは特急『スーパーくろしお』で約一時間。和歌山駅に到着。梅雨時期にもかかわらず天気は快晴である。いや逆に暑いくらいだよ。
 和歌山県といえばガイドブックによると高野山、那智の滝、円月島などみどころ満載の観光地として知られているらしいが、オレにとって一番印象深いのは林真須美のカレー事件だ。パブロフの犬じゃないが、和歌山と聞いてまず思い浮かぶのはあの毒婦の顔だよ。ようするにオレは和歌山を全然知らないということだわな。
 駅に隣接するホテルに荷物を置き、とりあえず街を散策する。事前に入手した情報によると、柳通り(地元ではアロチと呼ばれている)という場所に風俗店や飲み屋が集中しているらしく、そこはテレクラなどもありそうだ。しかし時刻はまだ二時を回ったばかり。テレクラへ行くのはいくらなんでもまだ早いだろう。
 また、ぶらくり丁という繁華街もあるにはあるが、以前存在したビブレが潰れた影響で、若い者があまり寄り付かないらしい。とするとナンパスポットは自然と近鉄百貨店のある駅周辺と柳通りの二つに絞られる。今回も苦しい展開になりそうだ。
 駅から伸びているけやき通大りを歩いていると、ゆっくりとした足取りの女子大生風を発見。小手調べで声をかける。
「あの〜すいません」
「はい…?」
 顔を確認せずに声をかけたのがまずかった。二十歳の大学生ヨシエはかなりのブサイクである。
「あの…、いや、その…」圧倒されそうなその存在感にしどろもどろのオレ。
「和歌山って、なんかいいとこですよね…」
「はぁ? そうですかね」
「み、みかんも美味しいし…」
「そうですね」会話がまったく成り立ってない。まっいいや。
 それにしても平日の昼間とあって人が少ないな〜。駅から300メートル離れただけで閑散としてきたもの。これはアカンというわけで、もう一度駅へと引き返す。さすがに駅周辺は人も多いが、買い物に来たオバちゃん、座ってダベル高校生ばかりと、いかんせんターゲットになりそうな娘は少ない。それでもなんとか見つけた可愛い娘は白いラルフのベストを着ている。
「キミ、女子高生? 」
「え、あっ違いますよ」
「なんで、高校生でもないのにそんな格好なのよ」
「でも結構流行ってるんですよ、こういうの」ホントかよ。単になんちゃって女子高生じゃないのか。と、普段なら悪態を付くところだが、よく見ればELT似で可愛い顔してる。早速ホテル一階の喫茶店でお茶だ。
「ふ〜ん、19歳なのか」若いね。
「お兄さんこそ、わざわざ東京から何をしに来たんですか? 」とミカ(19歳 専門学校生)
「えっいや、和歌山の(ナンパ)事情を探りに来たんだよ…」
「へ〜そうなんですか」と、オレンジジュースを飲むミカ。しかしどこかオレを怪しんでいる様子。
「どう 疲れてたら、オレのホテルの部屋で休んでいかない? 」
「アハハハハ、な〜に言ってんですか」そりゃそうだよな、そんなにすんなりとコトがうまく進むわけもなくミカは友達との待ち合わせのためさっさと帰ってしまった。




 つづいて駅前で声をかけたのが小柳ユキ似の翔子(二十歳 専門学校生)。一見してヤンキーっぽい雰囲気がムンムン。またしても喫茶店でお茶。
「まさか、キミ元ヤン?」
「違いますよ〜、ひどいな〜」
「いや、だってキミからはヤンキーの匂いがプンプンと漂ってきてるぞ」
「そんなことありませんよ」なんでもデザイン系の専門学校に通っているらしい。
「ふ〜ん。デザインの勉強ね…」この不景気な時代、デザインの勉強してて就職口なんかあるんかいな。とオレが心配したってしょうがない。結局この娘ともお茶を飲んだだけでサヨナラだ。まぁそう簡単にうまくいかないものだねナンパなんて。
 時刻はすでに午後六時を回っていたが、この時期は一年を通じて一番陽の長い季節である。外はまだまだ明るいのだ。そろそろ柳通り方面にでも行って見ようかと考え、またもけやき大通りをテクテクと歩いているとAV女優の三宮里緒に似た娘とすれ違う。
「あの…」
「はい? 」
「三宮さんじゃないですよね」んなわけねーだろ。
「えっ、違いますけど」
「実はボク、東京から三宮さんを捜しに出てきたものなんですけど…」
「そうなんですか」って、ウソに決まってるだろ。




 しかし信じられないかもしれないが、こういうくだらないウソが切っ掛けでオレと尚美(二十歳 派遣会社OL)の距離は一気に縮まり、30分後にはイタ飯屋で軽口を叩くまでの仲に進展していた。
「ところで三宮さんって誰なんですか? 」
「え、あ…その…AV女優だよ」
「ひどい…あたしAV女優に似てるんですか」AV女優に似ててなにがひどいのか良くわからんぞ。
「え〜可愛いからいいじゃん」
 まっ可愛いと言われてイヤな顔をする女もいないだろう。時刻は10時、カクテルを4杯飲んでほろ酔い気分になった尚美と深夜のドライブに出かける。もちろんクルマも運転するのも尚美だ。大丈夫かな…。
 紀ノ川方面へとクルマを走らせ夕涼み。外からイイ風が入ってくる。
「気持ちいいね…」
「うん。なんか、ねむ…」と、言ってる隙に不意打ちのキス。結局クルマの中で充分なペッティングを済ませた後、ホテルで濃厚なセックスを味わった。う〜んデリーシャス!!。
 滞在二日目も快晴である。梅雨どきだっつうのにラッキーだな。昨日の影響か、腰に若干の張りはあるものの体調はすこぶるイイ。今日も結果を出すぜ。
 午前11時過ぎ、張りきって街に繰り出したのだが、やはり昼はいないんだよね〜人が…。どうもショボイんだ。
 やっぱりテレクラかな。と思ったがどこにあるのかがわからない。とりあえず場所だけでも調べるために柳通りへと向かう。
 3分もしないうちに最初のテレクラを発見。しかし店員に現状を聞いて見ると一言「鳴ってないよ」とのこと。やはりまだ時間が早過ぎるのだろうか。
 仕方ないここは一つ出直すか。と、ホテルへ向かって歩き出したとき、茶髪のフカキョン似を発見し思わず声をかけた。
「あのさ、よかったらお茶でもどうかな?」
「え〜お茶ですか」
「いやいや、なんなら食事も奢っちゃうけど」
「ホントですか。だったら行こっかな…」現金なヤツめ。しかし話して見るとエリカ(19歳 フリーター)は、派手めのルックスとは裏腹に中身はかなり真面目な娘のようだ。オムライスを食いながらセクハラトークをかますが、すべて軽くいなすか、まったくの無視かのどちらかだ。
「キミって外見とは違うよね…」
「はぁ〜、みんなからよく言われます」
「そっか…」って、話しが終っちゃってるじゃねーか。
 しかしこんな真面目な娘といつまでもツーショットを続けていてしょうがない。メシを食ったらとっととバイバイだ。
 テレクラを探そうと思ってもなんら手がかりが無いというのが痛い。インターネットを使いたいところだが、和歌山には一件もネットカフェやパソコンを置いてある漫画喫茶らしきものが存在しない。夜恋所(よっこいしょと読む)という夜ナビがあるのだが、そこは夜の8時開店だ。昨日の夜になんとしても調べておくんだった。
 と落胆しているとき駅方向へ向かって歩く、お姉さん風の娘を発見。あわてて声をかける。
「こんちは」
「びっくりした〜。いきなり驚かさないでくださいよ」
「いやゴメンゴメン。あんまり可愛い娘が歩いて来たんで、つい声をかけてしまったんだよ」
「なに調子のいいこと言ってるんですか」と口では毒づいていても顔は笑っている。
「よかったらお茶でもしない? 」
「えっナンパですか? 」
「……そういうわけじゃないんだけど」
「こっち(和歌山)の人と、違いますよね」
「あっわかる? 」
「ええ、アクセントで…」
 東京から来たというオレになんらかの興味を示した啓子(二十歳 OL)。とりあえず駅前の喫茶店でお茶。
「まさか東京からナンパしに来たんじゃないですよね」思わず飲んでいたアイスコーヒーを噴出しそうになる。
「そ、そんなわけないじゃない」
「じゃあ何しにきたんですか? 」いきなり詰問かよ。まいったな〜。
「取材だよ(ブブカの)」
「へ〜雑誌かなんかですか? 」
「そうそう」
「和歌山ってなんにも無いですよ…」うんうんそうだね。
「何にも無いといえばテレクラも無いよね」
「えっ、テレクラならありますよ」
「ど、どこに?」思わず身を乗り出すオレ。
「北口の大きな通りに二軒くらい…」
「きたぐち…か」
「行くんですか? 」
「ハハハ、行くわけないじゃないの、何言ってるの」
「あやしい」
 なるほど北口(駅の逆側)とは盲点だった。友達との待ち合わせがあるという啓子をとっととリリースして北口へ走るオレ。テレクラに到着したときには汗ビッショリ。
 店員の態度もなかなか丁寧で、店内に貼られた広告関係を見ても鳴りは期待できそうだ。ただシステムが早取りのため雑誌やビデオを見てのんびりできないのが難点といえば難点か。
 しかし期待とは裏腹にコールが無い。客はオレの他に2〜3人。10分に一本ぐらいの割合で鳴ることは鳴るのだが、慣れてないせいか取れないんだこれが。なんとか一本目のコールを取ったのは入店から一時間以上が経過してからだった。
「もしもし」
「あっこんにちは」どうやら公衆コールのようである。
「あのさ、援助なんだけどダメかな? 」まっ公衆コールで援助以外の電話を期待するというのも野暮は話しだ。
「ふ〜ん、でいくら欲しいの? 」
「3なんだけど…」た、高っ。バカ高じゃんか。
「あのね、そのかわり友達もいるから3Pなんだけど」
「マジ? 」3Pで3万円なら高くはないぞ。オレは取るものもとりあえず待ち合わせ場所の駅前に走る!!。
「早かったじゃん」18歳の二人組みショートカットの智子とロンゲの亜矢子。身長も160と150センチというデコボココンビでなかなか可愛い。
 オレはこの奇妙な取り合わせの二人組みをホテルでたっぷりと堪能させてもらった。

 やっぱり最後はテレクラに頼っちゃったけど、リーズナブルな価格で3Pも楽しめたことだし、これはこれでOKとしよう。しかし今回の和歌山編はまだ関西リベンジへの序章にすぎないのだ。
 次回、大阪激闘編へつづく…。


 和歌山というミカンの花が咲いている街

 和歌山と聞いてまず思い出すのはカレー毒物混入事件であろう。(オレだけかな)あの林真須美の顔はトラウマになるほど忘れられないよ。じゃ、それ以外では?。と聞かれると、恐ろしいほど思い浮かばないのはオレの知識が乏しいだけなのか。今回取材で訪れたものの、また行くか? と問われたら絶対NO!だろうな。確かにガイドブックを読めば見るべきところもたくさんあることはあるのだが、わざわざ行かんよな普通。
 実際、地元の人たちも遊びに行くとしたら大阪へ、と答えるし、学校や職場もわざわざ大阪まで通っている人が多い。要するに大阪の植民地と化しているのだ。だって本当に何にも無いんだもの。映画館ですらぶらくり丁に二軒ほどあるだけ、市民唯一の楽しみと言えばカラオケくらいだろ。
 夕方近くになると中、高校生が駅前に座り込んでタバコを吹かしながらツバをペッペッとやる田舎の終り無き日常的な風景が、毎日毎日展開するそんな街。こんな閉鎖的な街ならカレーに少々砒素が混ざってたってちっともおかしくはないわな。

一日目
PM2:05 ヨシエ 二十歳 大学生 マジメで礼儀正しい娘ではあったが、いかんせんブスでは。
PM2:45 ミカ 一九歳 専門学校生 ELT似。なんちゃって女子高生のカッコは紛らわしいのでヤメテ。
PM3:55 裕美 十九歳 フリーター 彼氏と待ち合わせらしということでアウツ。
PM4:05 志保 二十六歳 無職 歳を聞いてびっくり。コギャルかと思ったらお水。話しただけで金を請求されそうだったので逃げる。
PM4:15  翔子 二十歳 専門学校生 小柳ユキ似の元ヤンキー風。デザインの勉強がんばってね。
PM6:40 尚美 二十歳 AV女優似という十字架を背負った以上、たっぷりとHさせてもらう。なんのこっちゃ。

二日目
PM11:35 エリカ 十九歳 フリーター ルックスとは裏腹にかなりの真面目。実にやりにくいっす。
PM1:40 啓子 二十歳 OL ブリグリ似。喫茶店でお茶だけ飲み、テレクラの場所を教えてもらう。
PM3:10 テレクラへ入店。
PM4:15 亜矢子、智子 十八歳 プータロー この連載始まって以来の3P体験。でも援助30K。

和歌山ナンパ一口メモ

風俗はぶらくり丁にソープとヘルスが一軒。アロチと中之島にピンサロ(ノーマルと本*系)たくさん。出張型ホテヘルが数軒。R24有本交差点の天王新地のちょんの間(おばさん相手)が数軒。ストリップ(ピンク部屋あり)が一軒。韓国やオイル式などマッサージ系が数軒。(電柱ビラ)外国人連れ出しスナックが数軒と充実。


テレクラは十数軒すべて、JR和歌山駅からタクシーで10分圏内にある。鳴りは当然千差万別。ただし車を持っていない人は苦しい。昼間なら駅前からのコールが狙い目なのだが。

ストリートナンパは駅周辺以外はすべて壊滅状態といっていいだろう。ぶらくり丁近くにあったヒブレが潰れてからは必然的に若い者は駅周辺へ。といっても駅周辺もショボイことはショボイ。

女の子の質    ☆☆
女の子の数    ☆
ナンパのしやすさ ☆☆



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