ナンパ地獄変(23) Date: 2003-04-22 (Tue) 

ナンパ地獄変 宮崎 九州ヤリマン伝説第二章




 昨年初頭、九州ヤリマン伝説を証明すべく福岡、熊本に渡った。今回はその第二弾である。先月は難攻不落かと思われた鹿児島をあっさりと撃沈し、今度は宮崎県へと移動だ。宮崎といえば、かつては新婚旅行のメッカとして栄えた街だが、近年じゃメッキリ寂れているらしいね。とりあえず駅を降り立った印象は、人がやたら少ない……ってこと。こんなんでナンパは可能なのか?
 とりあえずホテルに荷物を置いて散策に出掛けるとしよう。ホテルのフロントによると、宮崎市街で一番若者が多いのは一番街と若草通りというアーケードらしい。しかしいくら栄えている、といってもこの規模じゃもうどうにもならないんじゃないっスかね。早くも弱気の虫が頭をもたげ始めたが、そこはそれ。毎回最後はなんとかなってるジャン。と、自分を鼓舞させて街へと繰り出そう。
 街へ一歩踏み出ると…やっぱり思ってた通りのショボさだ。しかしワシントンホテル裏の風俗街にテレクラを発見。一縷の望みを残す。だけどテレクラもこの分じゃ期待できないだろうな〜。なんて憂いながら歩いていると向こうから来た中澤裕子似と目が合う。
「ウッス!! 元気ですか? 」
「はぁ…? 」
「いや、ボク東京から来たんですけど、ナンパさせてもらってもいいですかね」
 変にバカ丁寧だったのが功を奏したのか、あっさりとお茶に付き合ってくれた真希(ニ十一歳、ショップ店員)。だが一時間ほどで「友達と待ち合わせがあるから…」と、とっとと帰られる。しかし毎回このパターンやね。
 確かに人通りは少ないものの、ナンパに関しては比較的寛容な態度を示してくれそうだ、悪くないぞ。これも九州という土地柄だろうか。
 なんて思って楽観視していたら、その後は当たりが全然出ない。いや、なんかやばいかも。ちょっと早いけどホテルで一旦小休止しようと思ってたとき、網にかかったのが良子(ニ十三歳、OL)だ。
「今日はお休みだったんですけど…ちょっとだけならお茶してもいいですよ」と、言ってくれた。いや〜疲れたときに、こういう優しいお言葉は大変助かりますです。ハイ。
 しかしそれ以上はさすがに期待していた展開にはならず、良子とは結局お茶のみ。まっそれでも休息が取れただけヨシとしよう。
 ところで宮崎出身の芸能人と言えば、やはり0930の二人だ。街を歩けば至るところにあの二人の顔をコンビニのポスターなどで見かけることができる。もしかして彼女たちがこの県の代表つ〜ことは、宮崎ってブスが多いってこと? 確かに街にいる数少ない娘たちも、決して可愛い子ばかりってわけじゃないしな。熊本、福岡は可愛い娘が多いのに、これは一つ新たな発見だ。
 なんて歓心してる場合じゃないぞ。そろそろ辺りは暗くなってきた。この時期は九州と言えど日が暮れるのが早い。うかうかしているとすぐに夜だ。まだ午後六時だというのに、アーケードにも人通りが極端に減ってきた。ここは一つ作戦を変えて、橘通りでバスを待っている女性にでも声をかけて見るか…。
「すいません…シーガイア行きのバスってここでいいんですか? 」と、まずは話のきっかけ作り。
「えっ今からシーガイアに行くんですか? 」
「そうなんですよ。急に泳ぎたくなっちゃって…」
「シーガイア行きのバスは、あそこの交差点のところですよ」と、丁寧に教えてくれた美枝子(ニ十二歳、スポーツジム勤務)だったが、この後お姉ちゃんと食事の予定があるらしくNG。まっそんなもんだろ。
 この時間帯、バスを待っている女性は多い。ふと気付くと隣りのバス停では大路恵美に似た娘が文庫本を読んでいる。
「何読んでるの? 」
「あっ吃驚した〜」
「驚かせちゃった…、ごめんごめん」と、ちゃっかり彼女の隣りに座る僕。ここで拒絶されないと言うことは、感触は悪くない。
「へ〜川端康成なんか読むんだ…」
「文学部なんですよ、アタシ」と、のたまう理奈(十八歳、大学生)宮崎にしてはなかなかの美形である。
「オレも結構川端康成は好きなんだよ…『見る前に飛べ』とかね」
「それ大江健三郎ですよ…」と、いきなり鋭い突っ込みを入れる理奈。
 バス停で五分ほど会話しただけで、アッサリとホテルまでついてきたのは尻が軽いのか、それともオレに余程の魅力があるからなのかはわからない。だが、結局理奈とは深夜十二時近くまで文学談義に花を咲かせた。もちろんその間、彼女の花弁をたっぷりと味わったことも同時にご報告しておこう(ニ発)。
 昨日の心地よい感触を肉棒に残しながら、目覚めは快調であった。いや〜自分で言うのもなんだが、やっぱり根性出せば何とかなるモノだ。今日もやったるで〜。
 と、気合充分に繰り出して見たものの、相変わらず街は閑散としている。裏通りを歩けばソープの呼び込みだけがけたたましく「写真だけでも見てって!! 」と、うるさいのなんの、昼間からごくろーなコトだ。
 やはりテレクラか…。だがそれは最終手段として取っておきたい気持ちだ。時刻はまだ午後二時、まだまだストリートに希望をつなぎたい。そんな願望が神に届いたのかどうかはわからないが、デザイン学校に通う舞子(二十歳)が誘いに乗ってくれた。
「まさか東京からナンパしに来たんじゃないですよね? 」
「いや…、そんなことあるわけないじゃない(実際はある)」
「そうですよね…じゃ仕事かなんかですか? 」
「うん、そうね」う〜む、こういう聞きたがりの娘というのは意外と苦手なのだ。結構反応はいいんだけど、結局Hにまでは辿り着けないのがパターンなんだよな。オレも二十回以上続けているからその辺は充分解かって来たのだ。残念だけどパス。しゃーない。
 だけど、段々ではあるが、流れが来ているような気もする。別に根拠はない。街に人通りが増えた…という気配もない。単なる予感だけだ。だが、そんな予感も的中することがある。
「今日はちょっと買い物に来たんですよ…」というキャバ嬢を若草通りでゲットしたのである。
「へ〜だったらお茶でも飲みにいかない? 」
「あっ、ちょうどヒマだったし、いいですよ」簡単に誘いに乗ってきた紀子(十九歳)
 しかし何といっても敵はキャバ嬢だけあって一筋縄ではいかないのだ。
「最近いつHしたの? 」
「う〜んと、先週かな…」
「そのときは満足した? 」
「うん、ぼちぼちかな」などといったセクハラ話にも喜んでついてはくるが、水商売だけあって平然としている。クソッいい女なんだけどな〜。こういう一見ノリが良過ぎる女というのは本当にタチが悪いのだ。
 結局、お茶を飲んだあとに買い物に付き合わされ、夕飯まで奢らされた…(引っ張るオレも悪いは、悪い)。だが、「ホテル寄っていかない? 」の誘いには断固としてNO! そりゃそうだよな。キャバクラ嬢だもん。あいつらが簡単に股を開いてたら商売になんかなりゃしないもんな…。などと一人納得しているうちにすっかり真っ暗になっちまっただよ。
 ガビーン。時刻は午後六時過ぎ、この時間帯は宮崎人にとってかなりのデッドタイムだ。なにしろ街に人が全然いなくなっちゃうんだもの。思わずジャック・フィニィの『盗まれた街』を思い出しちゃうよ。もうこうなるとナンパどこじゃないんだよね。
 仕方ないか…。相変わらずソープの呼び込みがうるさい風俗街を歩き、テレクラへと辿り着く。築三十年は経つボロい建物の二階へとオレは上がっていった。
 入会金千円、個室使用料二時間四千円。地方都市にしては比較的高いと思われる金額をフロントのオバちゃんに支払い個室へ。中も想像以上のボロさである。
 待つこと三十分。最初の一本目こそヒマつぶしのイタズラであったが、その後はそこそこのコールが来る。
「じゃ車で三十分したら迎えに行くから…」と、言って電話を切った幸子。
「東京のことをもっと聞きたいな〜」と、言ってくれた陽子。
 どいつもこいつも社交辞令なのか、単なるからかいなのか、オレの携帯が鳴る気配はまったく無い。チクショ〜。来る気無いなら約束なんかするんじゃねー!! と、怒鳴りつけたいが、それも大人げないので自重する。こんな小汚いテレクラの一室で地団駄を踏んでも虚しいだけなのだ。
 だが、入店から一時間半が過ぎようとしていた頃、一本の公衆コールがやってきた。
「今、ボンベルタの前にいるんだけど…」
「あっじゃ近いね」おっ来ましたよ。待望のコールが。
「で、実は援助なんだけど…」う〜ん、まっこの際仕方ないな。だが希望金額はイチゴーとリーズナブル、さすが地方都市ならではだ。
「五分で行くから…と言い残し待ち合わせ場所へダッシュ」
 すると、いたよ、いましたよ…。推定体重六十キロの女が。「はぁ〜」と思わずため息が出るような展開だ。
 しかし宮崎最終日とあってか、こんな女すらパスできないオレはなんて弱い男なのであろう。結局ヤッてしまいました。ただし、金額はしっかりと一万円にダンピング。それでも尚子はニコニコ顔で帰って行った。




 九州ヤリマン伝説第二章はこれで幕を閉じるわけだが、最後がなぜか後味の悪い展開になってしまって読者の皆様、ホント申し訳ない。だが、残された県はあと三つ。オレの中ではまだ九州ヤリマン伝説は完結していない。この三つを制覇したときがこそが真の完結だ。そのときまで北海のベアーを暖かく見守っていて欲しい。
 以上。


女の子の質    ☆
女の子の数    ☆☆
ナンパのしやすさ ☆☆☆


一日目
PM2:15 真希 二十一歳 ショップ店員。とりあえず喫茶店でお茶。でもそれだけ。
PM4:35 良子 二十三歳 OL またもやお茶だけ。まっ休息が取れただけでも御の字。
PM6:40 美枝子 二十二歳 スポーツジム勤務 バス停にいるところ声をかける。
PM6:45 理奈 十九歳 大学生 美形のルックスとは裏腹に肉体は淫乱。ホテルでたっぷり楽しませてもらいました。
二日目
PM2:15 舞子 二十歳 デザイン系専門学校 丸顔の可愛いタイプだったが。根掘り葉掘り聞かれて閉口する。
PM2:35 紀子 十八歳 キャバクラ嬢 買い物などに引っ張り回され、無駄な時間を過ごす。
PM6:45 テレクラに入店。
PM8:10 尚子 二十歳 無職 援助代壱万円。まっテレクラなんて所詮そんなものでしょう。

ナンパ一口メモ
ナンパするなら一番街、若草通りのアーケードが無難。駅周辺には高校生くらいしかいないので注意。

テレクラは市内だけでも四〜五件が営業中。ただし地方都市の特徴として車を持っていないとツライ。また援助コールはデブ女が多いのも特筆。

風俗はソープとファッションヘルスが数件ある。年齢はそこそこ若いが、×イチで子供がいる女性が多いらしい。しかし値段はどこもリーズナブル。


宮崎というGのキャンプが行われる街。

 失礼な話だが、正直なところブスが多かった。宮崎を代表するタレントが0930というのもイメージダウンでしかないだろう。他にいないのかよ…ったく。
 声をかけたとき、女の子の反応は悪くないのだが、とにかく街に女性の数が少ないのでナンパ行為自体はすごく難しいのだ。こりゃもうどうすることもできないね。
 かつては新婚旅行先のメッカとして賑わった街だが、年々寂びれて行ってる。とはタクシーの運ちゃんの弁。そうだろうな。オマケにこの未曾有の不景気。いや、こういう連載をやっていると地方都市の荒廃ぶりを間近に見る機会が多く、本当に心から心配になってしまう。シーガイアも結局どっか外資系の会社に二束三文で買い叩かれたみたいだし、完全に舐められてるわな。まぁかつては日本の企業ががエンパイアステートビルを所有してたりと、同じようなことをやってたんだもんね。栄枯盛衰、歴史は繰り返されるのだ。まっもう一度行きたいか? と、問われたら確実にNOなんだが、イチゴとかカマンベールチーズとか栗まで入ってる『なんじゃこりゃ大福』だけはうまかったよ。



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