ヘンタイロード(2)-1 Date: 2003-05-17 (Sat) 


第2回 生まれて初めての風俗レポート

インターネットでお店を検索してみる
 いよいよ本物の風俗レポートである。実を言うと「野望の帝国」さんから原稿
依頼をされてもしばらくの間は尻込みをしていた。取材に行きたくないわけでも
ないのだけれどもどうも気が重い。風俗が嫌いというわけではない。もちろん
エッチは好きだから行きたい気持ちは山々だ。しかし、行きなれていないという
のはあるからだろうかなんだか気が重いのだ。そうこうしてるうちに銀行口座に
「野望の帝国」さんから経費と原稿料の振り込みがあった。どうしよう。本当に
やらなきゃいけないんだ。いっそこのままバックレてしまおうかとも思うのだけ
れども、「野望の帝国」さんの事務所は僕の家のすぐ近所。よく行くそば屋の前
にあるのだ。もはや逃げも隠れもできない。
 とにかく自分に素直になって自分の行きたい風俗店を探してみようと思った。
僕自身、ストレートのエッチは苦手なので少し変態的なところから攻めてみよう
かと思って、インターネットでお店を検索してみた。もともとこの原稿で書こう
と思っていたのは、ストレートな風俗ではなく少々変態的なお店を次々とレポー
トしていく予定だったのだ。とはいえ、僕自身はどういう変態なのかがよくわ
かっていない。たぶん読者の中にも目先の変わった風俗に行きたいのだけれども
実際に自分がそれを好きかどうかわからないという人が多いかもしれない。最初
にアクセスしてみたのはSMクラブである。できれば行ってみたいと思っていた
のである。これまで敬遠していたのは自分がそれにはまり込んだらどうしようと
いう思いがあったからである。
 それにしても便利な世の中になったものだ。SMクラブのホームページはもの
すごくたくさんのある。検索で「新宿」「SMクラブ」と打ち込めばたくさん出
てくる。さてそこで問題は自分がSになるのかはMになるのかである。嗜好とし
ては僕自身どちらの才能もあるように思う。
 しかし、エースというのは大変そうだこちらから仕掛けていかないといけな
い。素人にはちょっと荷が主過ぎる。そこで僕はMになることにした。いじめら
れる方である。これならば自分は何もしなくていいから楽そうだ。というわけ
で、女王様が在籍しているSMクラブをホームページでいろいろと見続けてみ
た。どこも本格的である。日が近いということもあって最初は新宿で探し始めて
いいたけれども、実際には渋谷、恵比寿、五反田、六本木あたりに結構ある。し
かも家から行くとなるとこのあたりのエリアが妥当である。ところがいろいろな
本ページを見るにつけだんだん強くなってきた。というのもムチでぶたれたり、
党則をとらされたり、金太の家られたりそんなふればかりなのである。中には初
心者コースというのを設けているところもあるのだがそれでもやはりだんだん強
くなってきた。そこでSMクラブでもちょっとソフトなところ選んでみることに
した。例えば女王様が顔面騎乗をしてくれたり、足で顔を踏んづけたりするプレ
イならば、そっちのほうがいいかなと思うようになってきた。ああでもないこう
でもないと考えながら3日間見続けた。そこでやっと行く場所を決めた。六本木
にある「S」である。ここのHPを見ていて気にいったのは女王様の日記が掲載
されていることだ。それを読んでいるうちにここに行きたくなったのである。若
ころは外見重視で自分の好みの女の子がよかったのだけれども年をとってくると
外見だけではない内面を重視するようになってきた。そのためホームページにあ
る日記や手記などは大いに参考になる。ここの女王様たちは何も日記を書いてい
てそれがとても面白かったのでここに決めたのだ。
 事前に電話をしてみると、とにかく地下鉄六本木駅から電話をしろと言われ
た。よほど冷やかし多いのだろうか電話ではあまり説明をしてくれない。はとに
かく六本木まで出かけるごとにした。便利だなと思ったのは、最近は携帯電話専
用のホームページもある。そこで、うちにあるパソコンから自分の携帯電話に
「S」のURLを送信。携帯電話で「S」のホームページにアクセスすると電話
番号が出てくる。いちいちダイヤルしなくてもこの電話番号をクリックするだけ
で電話をかけることができる。実に便利である。さすが六本木駅の改札を出て地
上の交差点へと階段を上る。携帯電話から電話をすると交差点の喧噪で電話が聞
きとりづらい。ホームページには駅から徒歩60秒とあったのですぐだろうと思う
のだが、場所の説明がよくわからない。電話に出た男性は「日比谷方向に歩け」
と言う。そうするとパチンコ屋があるのでそこから電話をしろとのこと。いった
い日比谷方向とはどっちなんだろう。わからないので「六本木ヒルズの方角か」
と聞けば確かに「はい」と返事をしたように聞こえた。なんだぁ徒歩60秒なのに
随分かかるなぁ。
 しかし、いくら探してもパチンコ屋がない。5分ほど歩いたところで再び電
話。すると「日比谷」ではなく「渋谷」なのだそうだ。元来た道を戻りとにかく
15分ほどかけてお店のあるマンションまでたどり着いた。何度か電話したが電話
に出た男は丁寧なのだが、声が聞きづらい。最後は部屋番号の「1」と「7」を間
違えるという始末だ。店というか事務所についたところですっかり萎えてしまっ
た。
 皆さんはご存じかもしれないけれども僕は初めてSMクラブというものに足を
運んだ。てっきりそこにプレールームがあるのだと思っていたのだけれどもそう
ではない。事務所に女の子が待機していて、そこで金を払い、実際にプレーする
のは近くのラブホテルなのだそうだ。
事務所は汚く狭かった。小さな椅子に小さなテーブル。カーテンの奥には女の子
たちが何人か待機しているのだろう、話し声が聞こえてきた。男は若く、腰が低
いのだけれどもどうも要領が悪そうな感じだった。
「今いる女の子がですね」
 と言いながらポラロイド写真を小さなテーブルの上にいくつか並べた。もとも
とオレは顔写真では選べない。そこで日記で読んだ女王様の名前を何人かあげて
みた。しかしきょうはどの女王様もいないという。なんだかすっかりやる気をな
くしてしまった。
「また、きます」
 といって外へ出た。ここで男が引き止めれば、プレイでもしていこうかなとい
う気はあったのだけれども、あっさり解放されてしまった。ドアを閉める間際に
「あ、もうひとつだけいいですか?」
 と振り返りぎわ、手を額に当ててそう言った。これじゃまるで刑事コロンボだ
なと思いながら、質問をした。
「こうやって事務所に来てもプレイをせずに帰る人ってけっこう多いんです
か?」
「ええ、写真だけ見に来る人はけっこういらっしゃいますね」
 とのこと。雑誌にもインターネットにも顔をさらせない女の子たちの顔写真だ
けを確認ににしに来る人たちもいるみたいだ。お金がないときはそうやって顔写
真だけを見にお店を回るのも楽しいかもしれないと思った。初めての風俗レポー
ト体験は不発に終わった。

いよいよM性感の店に突入
雨の日曜日の夜、僕は渋谷にあるM性感のお店に向かっていた。実はあれからい
ろいろインターネット見ているうちにSMクラブではなく、もっとソフトでいや
らしい受身風俗があるのを発見したのだ。それがM性感と呼ばれるジャンルであ
る。これは風俗雑誌にもあまり載っていないもので、インターネットあれこれ見
ているうちに発見した。M性感といってもいろんなものがあるようだ。基本的に
は受身でありお姉さん(ここにいる女の子たちはお姉さんと呼ばれることが多
い)は客である男を何度もイカしてくれるらしい。たいていの場合はフェラチオ
ではなく手コキでのフィニッシュである。さらにM性感の特徴的なことは他のお
姉さんたちが乱入してくるオプションがあるということだ。裸にされて、チンポ
をシゴかれている場面を他のお姉さんたち見られるというのはなんだかとても興
奮するような気がした。そこでM性感のお店をいくつかピックアップ。お気に入
りに入れて何度も何度もホームページを見た。われながら優柔不断だなと思っ
た。もっといいところがあるのではないかとばかりにひとつのところに決められ
ずさまざまな情報探してみた。インターネットのいいところは利用者の生の声が
聞けるところである。M性感には専用の掲示板を解説してくれている人がいてそ
こでかなりの情報収集することができた。さらに「2ちゃんねる」などでも情報
を入手。ところが書き込みを読んでいるうちにある店のいいことばかりが書きこ
まれていたあとに「店の店員が書き込んでいるんじゃねーよ」のような書き込み
もあり、何が本当なのかが分からなくなってきてしまったりする。こうなってし
まうとせっかく決まりかけた店もまた振り出しに戻ったりして最初からホーム
ページを見直したりもしてみた。たいていの店がホームページに割引券があり、
それをプリントアウトして持っていくと入会金などが割引になる。そのためオレ
はものすごい数の割引券をプリントアウトし、部屋はもう割引券だらけになって
しまった。
それで決めたのが渋谷にある「F」というお店。本当は日曜日の午後に行くつも
りだったのだけれども朝から雨が降る肌寒い天気で、どうしてもおっくうになっ
ていた。しかし、そろそろ本当に取材にいかなくてはいけない。野望の帝国さん
からもを原稿の催促メールがきているのだ。夕方から雨はより一層激しくなって
きた。なんてこった。これなら昼過ぎに出かけておけばよかったよ。しかし今は
こういう状況だと客も少なくていいんじゃないかなぁ。
渋谷の駅を出たところで電話をする。六本木の「S」とは違い、的確に場所を教
えてくれた。ごく普通のビルでこんなところに風俗店が入っているとは思えな
い。そういえばたいていのM性感の店がホームページに場所を明記していない。
初めての場合は、最寄り駅から電話するというシステムになっているようだ。
ところが店について驚いた。まるでそこは行列のできる風俗店である。カーテン
で仕切られたそれぞれの部屋からは獣のような男のよがり声が響きわたってい
る。ここで待つのかと思うと少しブルーになってきた。待ち時間も20分なのだと
いうけれども今のところに突っ立って20分も待てないと思った。
「また来る」と言い残しオレは店を出た。このまま駅に向かおうかとも思ったけ
れども、もう1軒お気に入りのM性感の店があったのでそこに電話だけでもして
みることにした。携帯電話のiモードでブックマークしてあるのですぐにアクセ
スできた。本当に世の中便利になったものだ。さっそくダイヤルしてみた。呼び
出し音が鳴る間「S」の割引券を持ってきていないことに気づいた。店のシステ
ムなどを少し聞いて「きょうは割引券を忘れたのでまたきますけれども、今実は
お店の近所から電話してるんですよ」というような話をした。地方からきている
わけでもなくまた明日にでもいい、割引券があるとないのとでは2,000円も違っ
てくる。これは結構大きい。しかしお店の人「そうですねぇ割引券がないとやっ
ぱりダメですねぇ」というのだけれども話しているうちにだんだん態度が変わっ
てきた。冷やかしではなく、こちらも真剣に行こうと思っているという意思を伝
えたところ「それでは特別にOKということにしましょう」というお言葉。オレ
は「S」に向かった。
 最近ミスよりもさらに風俗店が入っていうような感じではない普通のビルの一
室が事務所であった。あくまで比較の問題だが、「F」よりはゆったりしてい
る。写真を見せてもらうのかと思ったら、そうではないみたいだった。あらかた
説明を聞いてオプションなどの説明を受ける。とにかく初めてということもあっ
てオプションも何もわからないので何もつけないことにする。とゆうか、ホーム
ページを見ているときは乱入とかあって楽しそうだなぁと思ったのだがいざ実際
にプレーということになるとさすがに尻ごみをしてしまった。基本はやはり一対
一だ。時間を聞かれたので予算の関係もあり、今回は80分ということにした。実
はこれらの大きなミステークで後から後悔することになる。割引をしてもらうこ
とになっていたので、2万8千円あまりをここで支払う。
 猫の額ほどの小さな待合い室に移動させられて待つこと5分。事務所を出て同
じフロアにある別の部屋に案内された。これはいい。先ほどの「F」のように
カーテンで仕切られた部屋ではないので思いっきりプレーができそうだ。部屋の
中の構造はワンルームマンション。部屋は薄暗くなっていた。

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