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■ ヘンタイロード(2)-2 | Date: 2003-05-17 (Sat) |
部屋の中から出てきたのは見覚えのある顔だった。あとで気づいたのだけれど
もこの店のホームページに載っている女の子であった。色白のポッチャリした感
じの女性は好きなタイプだ。まずは矢継ぎ早に質問をされた
「こういう所にはきたことあるの?」
「初めてなんです」
「それじゃ他の風俗はどういうところに行くの?」
「風俗そのものが初めてなんです」
「SMとかには興味あるの?」
「それがどうか分からないからここに来たんです」
相手の女の子は少しあきれていた。で、風俗といえば最初にシャワーを浴びる
ということは知っていた。てっきり女の子体を洗ってくれるようかと思っていた
らそうではない。「そこのシャワーを浴びて」
と冷たく言われてしまった。なんだかいきなり出鼻をくじかれたみたいで、
ちょっと残念。しかしやはりそこはM性感なのだろうか、お姉さんは命令口調
だ。ただし女王様ほど怖くはない。
さて、シャワーを浴びて出てくると部屋の真ん中にはシーツが敷かれていて、
そこにうつぶせになるように言われる。それからゆっくりと体にパウダーのよう
なものをかけられてマッサージをされる。次第に肛門あたりをホジホジされる。
なんだかおかしな気分だ。ちょっと不安なのはうつぶせになっているので何が行
われているのかがよくわからないということだろう。肛門に異物感があった。す
るとお姉さんは
「ほら指が入ってるんだよ」
というのだけれども実感はあまりない。そういうとさらに指1本が2本になっ
たのだろうか。ちょっとウンコをしたい変な気分になる。そう言うとお姉さんは
「出ないから大丈夫」
と言う。しばらく我慢してみたがちっとも快感にはつながらない。無反応でい
るとお姉さんはさらに過激に指を動かしているようだ。今度はちょっと嫌な気分
になってきた。そうか、これがインターネットで読んだアナルへの攻めだなぁ。
ちっともよくないや。そこで、
「やめてくれよ」
と言うと
「そうじゃないでしょう」
と注意された。なるほどここはM性感なのだ。そこで言い方を変えた。
「やめてください」
である。ホッ。やっと肛門への攻めが終わった。まいったなぁ、やっぱりオレ
はMじゃないんだ。そう強く感じた。その他にも顔面騎乗や電気あんまなんてこ
ともやられたけれどもいまいちピンとこない。いや、想像していた時には、かな
りいいなと思っていたのだけれども実際にやってみるとさほどではない。むしろ
冷めている自分に気がついた。こういう状態になると何をやられても無感動のよ
うな感じがする。その証拠にあと10分か20分ぐらいの時点でチンポにローション
をたっぷりつけて、手コキをしてもらったのだけれどもまったくチンポが反応し
ない。射精まで行きつく感じがしないのだ。それでもお姉さんは一生懸命シコシ
コしてくれる。少し興奮仕掛けて、射精できるかもしれないなぁと思ったときに
部屋にある電話のベルが鳴った。たぶん時間切れなんだろう。もう少し長くして
おけばよかった。なんだか欲求不満を部屋に残したままオレは部屋を出た。
目標は1つ。射精することである
風俗というのはくせになる。その日オレは家に帰って、再びインターネットで
風俗のお店を検索していた。せっかくお金を払って行くんだから、射精のひとつ
もしてみたい。あれこれ情報収集をしていたけれどもどうもうまくいかない。
そんなことをしているときにたまたま取材で知り合ったD子から電話があっ
た。彼女は普通のOLなのだけれどもアフターファイブはSMクラブで働いてい
るという。そういえば、オレには風俗嬢の知り合いがたくさんいる。もちろん風
俗嬢として出会うわけではなく、取材に行った先で知り合ったり、あとオレは雑
誌などで自宅の電話も公開しているため向こうから勝手に電話をかけてくるケー
スもある。これまで、たいていいそういう風俗嬢に対して「お店に行きたい
なぁ」と言っていたのだけれども、そういうことを言うと反応は2つに分かれ
る。すなわち「絶対来ないで」という場合と「ぜひ遊びに来てよ」という反応の
2つである。このなかなか興味深い。本企画でも知り合いの風俗嬢の店を訪ねる
という企画をぜひやってみたいと思っていた。実はこれまでの原稿読んでいただ
ければわかるのだけれども風俗そのものにいかないオレは店に行きたいなぁとは
言っても実際に行ったことはなかった。
D子によれば、いまお店はヒマなのだと言う。なるほど、それじゃ行こうかと
いう話になった。D子の店は五反田にあり、そこはSMクラブといってもMの女の
子を専門らしい。しかし、オレはSのプレーができるわけではないので、やっぱ
り無理かな。と言うと、
「大丈夫。女王様ができるお姉さんもいるから」
このことを聞いてオレは俄然行く気になった。本物の女王様は怖いけれど、M
女がついでにある女王様ならぜひ体験してみたい。しかし時計を見たらすでに午
後9時を回っている。場所は五反田。悩みながらもオレの家を出た。
五反田と言えば、僕のイメージだと本格的なSMクラブがたくさんあるような
気がするのだが、最近ではかなりソフトな店も増えてきたとのこと。五反田駅か
ら電話をするとわかりやすい説明ですぐに事務所までたどりつくことができた。
そこで、出てきた店長はやたらと愛想のいい人だった。
「下関マグロさんですよねぇ。いつも読んでますよ」
そう言われると少し照れてしまう。この照れがよくなかった。それは後述する
として、まずは写真を見て女の子を決めるわけだけれども、今回は女王様もでき
るM嬢ということなので既に相手は決まっている。写真で示してくれた女性は
ちょっと大人見た感じの美人である。申し分ない。そう決めると今度は地図を出
してきて、ラブホテルの場所を3カ所ほど教えてくれた。いっぱいだったら次は
こっちに行けという感じでいう優先順位も決めてくれる。
料金は28,000円。それを支払って事務所を出た。ラブホテルに1人で入るのは
初めての経験だ。これまではたいてい女の子と一緒に入っていたのだが、果たし
て1人で入れるものかと思ったら何なくフロントを通過。部屋に入ってから先ほ
どの事務所に電話。ラブホテルの名前と部屋番号を告げる。すると「すぐに女の
子を行かせます」というの店長の声。女の子が来る間にシャワーを浴びておこう
と思ってバスルームへ。なんだかドキドキするなぁ。
ベッドに横たわってタバコに火をつける。女の子なかなか来ない。やっと2本
目の煙草を吸い終えたところで、玄関のチャイムが鳴った。そこに立っていたの
は背の低い美しい女性だった。驚いた。こんな可愛い女の子が風俗にいるんだ。
不思議な感覚だった。顔写真では老けて見えたのだけれども若そうである。20代
も半ばといったところか。こういう親とともにスリーサイズや身長などのデータ
もあったはずだがそれを見るのを忘れていた。勝手に背の高い女の子だと思い込
んでいたのだけれども全く違っていた。
「よろしくお願いします」
とY子さん。それじゃ一緒にシャワーを浴びましょうかといいうことになっ
た。既にお風呂には入ったと言ったのだが、決まりなので一緒に入ってくれと言
われた。お風呂では殿様気分である。体の隅々までを洗ってくれた。
本当ならばこちらからいろいろちょっかいを出したくなる女性なのだが、今回
はこちらが受身ということでそれを控えてしまった。これもちょっと行けないと
ころだった。Y子さんはもともとMなので、女王様には慣れておらず、「どうしま
しょうか」と聞いてくる。こちらも風俗はさほどの経験者ではないのでよくわか
らない。そんな話をうだうだしていて時間だけが過ぎていく。これまで自分が風
俗を苦手だと思っていた理由がまたひとつも浮き彫りになった。この時間であ
る。女の子となっていて時間制限があるのが苦手なのだ。相手との空気をもみほ
ぐしてそれからセックスに至るというのがこれまでの自分のパターンだったのだ
けれども風俗はそうではない。いきなり臨戦態勢なのだ。それを女の子もそうだ
し客である男もそうでなくてはならないのだろう。話ばかりをしているとさえぎ
られ、彼女は作業に移ろうとする。
「とにかく風俗で射精をしたことがないので、今回は射精をしたいと思うんだけ
ど…」
という話をする。それを受けて彼女は僕を攻め始めた。ディープキスや耳の後
ろを舐められたりして、それはそれで感じるのだけれども自分から女の子の体を
触りたいと思う気持ちはあるのだがどうしてもブレーキがかかってしまう。金を
払っているのだからいいのだろうけれども、どうしてもそれができないのだ。自
分自身の心の中の問題なのかもしれない。
とはいえさすがに相手はプロだ。発車寸前まで勃起させられることになった。
ところが、そこで急にさっきの店長やら知り合いのD子の顔が浮かんでくる。ま
るでそばで見られているような感じがした。そのことをY子さんに言うと、
「大丈夫気にしないで、思いっきりイッテ」
という言葉に思わず発射しそうになる。しかしその瞬間に彼女の持っていた携帯
電話のベルが鳴った。急に自分のチンポが萎えるのが分かった。
「電話、出てくださいよ」
そう言った自分の言葉に今日はここまでだという思いがかぶさった。まったく
こういうものをレポートするライターとしては失格かもしれない。とにかく、射
精までは至らなかったが風俗の入り口に入ったような気分になった。とりあえず
2カ所の風俗を体験して、こんなレポートを書いてしまった。次回はもっと射精
するようなレポート書かなくてはいけないと思う。再び風呂に入り、シャワーを
浴びてY子さんと外へ出た。五反田駅から山手線に乗り込んだ。すでに電車は終
電近く。新宿まで行ったものの四谷方面に行く電車は終わっていた。駅から歩こ
うかとも思ったが、結局タクシーで帰宅。どこかトホホな2軒の風俗レポートは
以上である。