ヘンタイロード(3)-1 Date: 2003-07-22 (Tue) 
第3回 ヘンタイロード 風俗嬢→風俗嬢

マグロ、アンダーヘアをカットする(おっされー?)
 どうもマグロっす。今回は、取材を早く終えたのにもかかわらず忙しくてなか
なか原稿が書けなかったっす。すんません。10年前に本名で書いたビジネス本
「知的時間活用術に入門」が日経文庫にはいることになり、その作業に追われて
いたのだ。最初はほとんど改定の必要ないかと思っていたんだけれど、実はこの
10年、情報ツールは劇的に変化していたのだ。たとえば10年前はまだ携帯電話を
持っている人は少なかったが、今では1人が1台持つのは当たり前のようになって
きた。インターネットも普及し、電子メールを使う人も飛躍的に多くなってきた
し、デジタルカメラも出現。とにかく時代は大きく変わってきているのだ。その
ためかなりの部分、加筆訂正した。しかし、ビジネス系の原稿を書くのは久しぶ
りで、担当の女性編集者に「もう、“世紀”が“性器” になってます。まじめ
にやってください」と怒られたりすることがしばしば。ワープロの変換がもうエ
ロエロになってしまっているのだ。まいったなぁ。まあ、本屋で見かけたら立ち
読みではなく、買って欲しい。
 さて前回で初めての風俗取材を敢行したマグロであったが、今回は新展開であ
る。その内容はおいおい紹介するとして、みなさんは、キャバクラへ行ったこと
があるだろうか。マグロは少し前にやっと初体験した。わけのわからないまま店
に入ると、テーブルには次から次へと違う女の子がやってきた。驚いたのは女の
子たちがみんな名刺を持っていて、それを渡してくれる。店の名前と電話番号が
印刷された名刺で、名前は手書きになっている。裏側には、これまた手書きでな
んと携帯の電話番号が書いてあるではないか。一人目の女のコの時には、い
やぁ、俺もモテるんだなぁんて喜んでいたんだけど、次から次へとくる女の子た
ちの名刺は同じみんな同じように手書きで携帯番号が書かれていた。なんだぁ、
モテてるわけじゃないんだ。
 考えてみれば昔は女の子の電話番号を教えてもらうということがナンパする第
一関門であったような気がする。今のように携帯電話が普及していなかった時
代、ひとり暮らしの女の子の電話番号を聞くことはとても大変なことであった。
なんとか拝み倒して教えてもらった電話番号にかけてみると「あなたのおかけに
なった電話番号は現在使われておりません」だったり、いきなり「四谷警察で
す」なんて言われて肝を冷やしたりした。そういえばそのとき初めて下4ケタの
電話番号が0110だと警察署なんだということを知ったなぁ。まぁそれなりに電話
番号についてはいろいろなことがあった。
 それも携帯電話の普及で様変わりしてきたということである。さらに言えば最
近は、携帯電話の番号ではなくメールアドレスも書かれていたりする。水商売の
女の子から携帯メールが着たりするとやはりうれしい。
 ところが最近では風俗嬢も名刺を渡し、その裏にはメールのアドレスが書いて
あったりする。もはや風俗の世界でも女の子1人1人が営業しなくてはならないの
だ。
 と、前置きが長くなってしまったが、前回行った渋谷M性感の「S」というお
店のJちゃんからもメールがくるようになった。
 少し説明しておこう。この「S」という店は俺にとって初めての風俗取材で
あった。何もわからないままM性感のサービスを受けるも、まったくチンコのほ
うは反応せず、わけがわからないままに時間が過ぎた。そのJちゃんが帰りがけ
に名刺をくれたのである。そこには前述したようにも携帯電話の番号とメールの
アドレスが書かれていた。いつものクセで名刺をもらうと自分の方からも差し出
した。Jちゃんは「下関マグロ」という名前を見て、「おいしそうな名前ね」と
言ったのだが、俺がライターをやっているということは全く知らない様子だった
のだが、とにかくその名刺には俺のメールアドレス
(maguro@tokyo.email.ne.jp)があった。そのアドレスにメールがきたのだ。そ
の日のうちである。気合が入っている。
「今日は来てくれてどうもありがとう」
 に続けてまた来て欲しいとある。営業メールである。その後もこういうメール
が何度か届いた。
「今日はサッカーがあるので、お客さんが少ないだろうから、お店に遊びに来
て」
 などである。まあ、営業とわかっていてもやはり女の子からメールがくるとう
れしい。とはいえ、そんな誘いに乗るほど俺は甘くないぞ、と思っていた。が、
実はこの後、次第にJちゃんのペースにハマっていくのでる。

陰毛カットのテクニックを身につけたんです
 メール交換を1カ月ほどでJちゃんから興味深いメールが来た。
「最近、友達から陰毛カットの技術を習得しました」
 というような内容。ほう、俺は最近、陰毛に白髪が目立ち始めたところだ。最
初に白髪を発見したのは20代半ばで、それは一部だけでメッシュのようなは感じ
であった。しかし、最近ではそのメッシー状態だった白髪が全体に広がり始めて
まばらになってきてどうにも格好悪い。そのことをメールで告げると、
「ブリーチ剤を持ってきてくれれば、毛染めもするよ」
 という返事。おお、そうか。それはちょっと興味があるなぁ。なんだか、
「笑ゥせぇるすまん」みたいに心の隙間を突かれたような感じだった。
「おお、じゃ、今度行くよ」
 と返事をした。ここで、読者から、なんでそんなことで、プレイ内容が決まっ
ちゃうんだよ、と疑問に思われる読者もいるかもしれない。もともと渋谷のM性
感の「S」というお店は、そのプレイの内容はお姉さんにおまかせなのである。
ある意味、お互いに納得すればプレイ内容は自由なのだ。
 それにしても、ブリーチ剤ってどんなものを買えばいいんだろうか。薬局へ
行ってみる。あった、あった。何を買っていいのかわからないが、適当にギャッ
ツビーのピンクシルバーを購入。で、日曜日に予約を入れて出かけることにし
た。が、ここで問題発生! 会員証がないのだ。電話して聞いたら、やはり会員
証がないと、入会金2.000円を再び取られるのだそうだ。くーっ、なんてこっ
た。部屋中をひっくり返し、会員証をさがす。Jちゃんの名刺はわかりやすい場
所に置いていたが、会員証は適当においておいたのだ。みなさんも会員証はなく
さないようにちゃんと保管しておこうね。で、なんとか引き出しの奥から発見。
よかったぁ。2000円支払わなくてすんだよ。
 というわけで、Jちゃんに予約の電話を入れる。夕方、7時半だ。まだ時間があ
るので、床屋へ行く。頭髪のほうは30歳を過ぎてからかなり白髪が目立つように
なって、今はかなり白い。そこで、赤い色で染めてもらっている。顔剃りをしな
いため、料金は6500円である。さて、髪の毛もすっきり色が入ったので、渋谷に
でかける。
 時間は一応めいっぱい取る。120分で料金は33800円。これに指名料をプラスし
て35800円である。領収書をもらう。
 というわけで、個室へ。1ヶ月ぶりにJちゃんと再会。
「おっす」
 と挨拶される。おお、なんだかうれしいねぇ。初めての風俗取材の場所にまた
戻ってきたぞ。いうわけで、今回は2回目ということで、もう慣れたものだ。言
われなくてもさっさとシャワーを浴びる。
 持参にしたブリーチ剤を渡し、なすがままの状態。まるで美容院か床屋にでも
来た気分である。
「じゃ、まずお尻の穴の毛から処理しましょう」
 ん、なんで? 陰毛じゃなくて肛門の周りの毛なの?
「男の人は、剃っておいた方がいいらしいよ。だってほらウンコするときについ
ちゃうじゃないですか」
 ほう。なるほどね。ちゅうわけで、四つんばいになって、お尻を突き出す。し
ばらくはジョキジョキとハサミの音。ハサミの音が止まったかと思えば、肛門に
熱を感じた。
「な、なに?」
「友達の風俗嬢に教えてもらったんだけれど、毛を切ったあと毛先をお線香で焼
いていくのよ」
 ほう。線香というのも驚いたけれど、それ以上に友達の風俗嬢からこういった
ことを教えてもらうというのに興味を持った。
「風俗嬢の友達ってたくさんいるの?」
「うん、業界長いからけっこういるよ」
 それで、オレはある企画を思いついた。風俗嬢から風俗嬢を紹介してもらう企
画というのはどうだろう。これを続けると最高の風俗嬢に会えるのではないだろ
うか。こういう企画ってこれまで誰かやってたのかなぁ。いや、それよりそうい
うことって可能なんだろうか。さっそくJちゃんに話してみる。すると
「あ、それ、おもしろそう。じゃ、さっそくあたってみるね」
 と、なんとも簡単にOKしてくれた。いやぁ、持つべきものは風俗嬢のお友
達。って、勝手に友達扱いしちゃってるけど…。
 しかし、四つんばいで尻を突き出している体勢はけっこう疲れる。デブだから
膝が痛くなっちゃうんだよなぁ。とほほ。



 なんとか、尻の穴の周りの毛をきれいにカットしてもらって、再びシャワー
へ。なんだか床屋でカットしたあとに洗髪するみたいなもんだな。
 再びベッドいや、床に敷かれたバスタオルのところへ戻ると
「それじゃ、今度は仰向けになって」
 と言われる。いよいよブリーチだ。しかし、これって頭髪用のでしょ。陰毛な
んかに使って、大丈夫なのかなぁ。
「うん、だから、これ使うのよ」
 と、取り出したのはコンドーム。ブリーチ剤がティンポにかかっても大丈夫な
ようにガード。しかし、コンドームがこういうふうに使われるとは…。
 というわけで、ブリーチ剤をたっぷり陰毛に塗られていくわけだけど
「どこからどこまでが陰毛なのかへそ毛なのかわかんない」
 たしかに俺は毛深い。結局のところ、広範囲に塗られてしまう。
 30分感このまま待つそうだ。その間にカットが進む。毛の焼ける音がする。

さっきお尻のときは見えなかったけれど、少し起き上がるとカットの様子が見え
た。くしとハサミを使ってチョキチョキとアンダーヘアをカット。さらにお線香
でその先端をじりじりと焼いていくのだ。Jさんの指にはサックがはめられてい
て、とても最近おぼえたとは思えないほど熟練した手つきである。
 それから世間話。ヤンキースに行った松井の話だとか、ジーコジャパンはどう
なるかは等々。これじゃまるで床屋だなぁ。そこでちょっとさっきの話題に戻っ
てみた。
「風俗嬢から風俗嬢への友達の輪ってできそうかな」
「うん、大丈夫、大丈夫。もう私のなかでは2人ほど候補がいるんだけれども、
美人がいいか性格がいいほうがいいかなぁとあれこれ迷っているんだ」
 ほう、これはいい。いったいどんな女の子を紹介してもらえるんだろうか。あ
れこれ想像していると
「それじゃ、腋毛もやろうか」
 とJさん。わきの下も同じようにカット。ところが、半分やったところで
「120分て早いよね」
 とJさん。おいおい、ワキ毛半分しか剃ってないじゃないか。室内にある時計
を見れば、たしかに2時間を少し過ぎている。急いでシャワーを浴びた。まった
く驚きだ。感覚としては1時間ぐらいしか経過していないような気がしていたの
だけれども。最初は時計が狂っているのではないかと思ったほどだ。自分の携帯
電話の時計を見ると確かにすでに2時間は過ぎている。しかし、なんてこった。
ワキ毛は半分ほどカットされ、半分はもとのままだ。私しかも、風俗らしいサー
ビスというのは全く受けていない。どういうこっちゃ。とまどいながら帰路につ
いた。陰毛のカットだけで、頭髪のカットの5倍の料金である。納得できるよう
な、できないような、なんともトホホな気分である。

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