場も十分こなれてきた頃合いを見計らって、女の子達が入場。それぞれ手に蒸しタオルを持ち、おばさんの横に一列に並ぶ。お店によってシステムはまちまちだが、大きく分けて@元締めのおばさんがそれぞれ女の子を適当に振り分け、こちらが指名出来ないお店と、A在籍している女の子をずらりと並べその中からこちらの好みの女の子を選択するという2つのタイプに分類される。今回は残念ながら前者のシステムで、どんな女の子が付くかは元締めのおばさん次第だ。もっとも、メーカー側と酒宴を持つのは今回が初めてなので、あてがわれた女の子の方がこちらも遊びやすい。最初から、がめつく女の子を選別するのは日本代表としてあまり褒められた事ではない。
先ほどの愛想振りまき効果なのかは分からないが、今回相手をしてくれる洪(ほん)さんはほかの子に比べて若くて(23歳)綺麗め、しかもなかなかスタイルが良い。ただし、この子日本語、英語がいっさい出来ない。ひたすらハングル語のみだ。何度か韓国を訪れ様々な場所で遊んだが、得てしてソウル市内で有名な宮離(ミヤリ)やルームサロン(持ち帰り有りのクラブ)等のいわゆる日本人慣れした子より、コミュニケーションが計りづらい子の方が案外楽しめたりするからおもしろい。女の子達にもグラスが配られ、ここで再び乾杯。先ほど手にしていた蒸しタオルで、手や顔などを拭いてくれる。とりあえずは簡単な挨拶を英語でし、二人でまた乾杯。
2時間ほどたつとおとなしく座っている分には十分なスペースがあるその部屋も、歌う奴、女の子と踊る奴、また奇声を発しながらひたすらウィスキーを流し込む奴とで落ち着いて話が出来る状態とはかけ離れた雰囲気の部屋へと変わっていく。周りを見渡せば、戦友達もすでに戦闘モードでそれぞれ片言のハングル語と英語、そして相手は全く理解していないであろう日本語を駆使しながら関係作りに勤しんでいる。「せっかく知り合ったんだから。」と言う口実の元に事の前にストーリーを欲しがる男の性だろうか…。
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