野望の帝国 野望の帝国

風俗情報

 合法ドラッグレポ 02(3)

 小一時間ほど走ってきて、シャワーを浴びる。風呂場に入る前に、お香をたき、部屋の空気を浄化する。シャワーからあがると、水を飲みしばらく心地よい疲労感を味わいながら、BGMの選曲をする。何が楽しいかって、このBGM選びぐらい楽しいものは無い。ジャンルの統一が全くはかられていない山ほどあるCDの中から、クラッシック、ジャズ、レゲエ、トランス、NatureSound等、数種類用意しておき気分によって変えられるようにしておく。以前、どうしても聴きたくなった曲が見つからず2時間ほどCD探しの為だけに時間を費やした経験があるので、よく聞くようなものについてはすぐ手が届くように準備しておく。キマっている時は、とにかく何かに集中してしまう傾向が強くなる為、つまらない事で時間をつぶさないように前もって準備しておくのが良いでしょう。

 さぁ、いよいよ。お食事の時間です。陶器のスープボールにお湯を注ぎ、温めてからFDスープを入れ再びお湯を注ぐ。待つ事じっと3分間。ステレオからはボブマリーの「バッファローソルジャー」が流れている。うーん、ボブにブツ…なんてベタな取り合わせだろう。でも、結構こういうベタさ加減って好きなんだなぁ。曲が終わる頃に、スープとブツを食べにかかる。想像していたとおり、キノコ独特の繊維質が歯に心地よく、ポリッポリッという風な食感で味は殆どしない。フカヒレももうこれ以上小さくなったら、なんだか分からなくなる一歩手前の絶妙な大きさで、独特の食感とヌメリがある。何にしても、運動後に食べるスープがゆっくりと体の隅々まで温かくしていくようで、リラックスモード全快。ちょうどよい疲労感も手伝って、まったりする。

 変化が現れたのは20分ほどしてからだったと思う(正確に時計を見てなかったので…)。全身の筋肉を弛緩させてトロンとした目で周りを見るともなく見ていて、視線をPCの画面からステレオに移した時に、モニターのシルエットが尾をひくように残像となってゆっくりとついてきた。
「おっ、来た来た!!」
いよいよです。開幕です。最初の兆候が現れて5分もすると、世界は完全に違ったものになり、不思議な旅へと導かれることとなる。ステレオの上に飾ってある、70年代の映画女優のポストカードに視線が止まる。じっと見ていると、目を閉じたままの彼女がゆっくりと表情を崩し微笑みかけてくる。「何も心配しなくても良いんだよ。」とも「ようこそ。異次元の世界へ。」ともとれる、完璧な微笑みで思わずこちらの頬も崩れる。

[前のページへ] [墓石 徹TOPへ] [次のページへ]


Copyright(c) 2003-2004 YABOU NO TEIKOKU All rights reserved.