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風俗情報

 男はつらいよ!! 墓次郎同業者に間違われる編(3)

「はぁ??」
完全にあっけにとられるこちらの様子にお構いなしで、下から上へと強面のお兄さん特有の絡みつくような視線でなめ回す。風俗慣れしすぎた連れの行動が彼の聖域である「うちの島」のバリアをぶち破ったのだろうか。明らかに不穏な空気が漂う。水を得た魚のように饒舌に語り、自分の持つ能力を遺憾なく発揮させる事だけがまるで来店の本来の目的であったかのように活発だった彼の動きが止まり。執拗なまでの視線による視姦攻撃から身を守るべく、自分とお兄さん間にしっかりと他人をおき壁にある注意書きなどに視線をずらせている様子。

犬に威嚇された時は、目をしっかりと見てゆっくりと後ずさりをする事。と、胡散臭いサバイバルブックで読んだ事がある。しかし、だ。この野犬のような兄さんと目を合わせながら後ずさりしても事態は全く改善されることなく、むしろ更に悪化していくのは目に見えている。梅雨そのもののような鬱陶しいオッサンをようやく振り切り、今日の「射精場」にたどり着いて、あとはお金を払って泡まみれになるのを待つばかりというタイミングで訪れた予想だにしなかったアクシデント。いまさら外に出て、再び街の中を徘徊するのは馬鹿馬鹿しさを通り越して、徒労に分類される行為だ。力無い視線をお兄さんの頭の右斜め上30cm程の所に置きつつ沈黙していると、
「うちは同業者お断りだよ!!」
と更に追い打ちをかける。
「まっとうな素人、しかも客を捕まえてなんて強気な・・・。だいたい、同業者だとしても、道場破りじゃないんだから正々堂々と玄関から入って、女の子を引き抜くような真似するかよ…。」
やんわりとした非難の視線を兄さんに投げかけると、なぜかその鋭い眼光は俺だけに注がれている事に気づいた。二舐め、三舐めとなおも必要なまでに視姦する彼の姿をもう一度目の中に納めた時に、ハッと気づいた。

なんてこった…。原因はヌレにあったのだ…。

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