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風俗情報

 出会いの広場(2)
しかしだ、世の中そんなに甘くないのは百も承知。読者諸氏、もちろん自分も含めて、この手の風俗店偽物的営業方法常套手段にだまされ苦汁を舐めた経験は数え上げればきりがない。当然わき上がるのがヤラセ&サクラ疑惑。よっぽどの有名店や繁盛店以外は、何らかの方法で情報をでっち上げるのがこの業界では当たり前の事。最も客も100%店の情報を信じていくわけでも無いだろうけど。

わき上がる数々の疑問と不安に頭の大部分を占領されながら、エレベーターに乗り店へと向かう。エレベーターを出てすぐの所に衝立があり、その向こう側に店へと続く扉が開け放たれている。店に入ると左側に受け付けカウンターがあり、右側にはソファーセットが配置されている。既に2人の女の子が座っており、ちらりとこちらの様子をうかがってきた。

「おぃっ!! こいつらどう見ても水系の女ぢゃねーか。」

明らかにオーバーメイクの20代前半だと思われるそいつらのたたずまいからは、業界臭がぷんぷんと漂ってくる。「えっ、何でこんな子が。」という、驚きとはおよそ対極に位置する強者系がソファーにだらしなく座り、だらしなくメーク道具をひろげ、だらしなくこちらの様子をうかがう。取材価値無し。これはもうサクラ集団詐欺と断定して、さっさと店を出ようとすると廊下から新たに2人の女が出現。一人は先ほどの水系よりはさっぱりとしている感じだが業界風の女。もう一人は、「地味」という概念を丁寧に体現したような、いわゆる「普通」の女。

普通の女・・・木村加奈(勝手に命名)。22歳。山梨県出身。地元の短期大学を卒業した後、都内の事務系機器メーカーの経理部に就職。上京直後につきあい始めた彼氏と1年ほど前に別れ、現在は彼氏無し。オナニーは不定期で、人差し指と中指でクリトリスを露出させ、中指で刺激するやり方がほとんど。男性とのセックスでいったのは、つきあっていた彼氏とうまくいかなくなったときに出会った同郷の年上の先輩のみ。以下、加奈の週末の1ページ・・・先週、佐知子が泊まりに来た時に置いていったレディースコミック。そういう雑誌があるのは知っていたけど、でも、自分で買うの恥ずかしいし・・・。佐知子がかえった後、ほとんど最初のページから最後のページまで読んで、何だかとてもいやらしい気分になってきて、久しぶりにオナニーをしちゃいました。ずいぶんと長い間彼氏いないし、かといって性欲を満たすために全然知らない声をかけてくる男の人となんかしたくないし、後で怖い人だってことが分かってイヤな目に遭ったりする事考えると・・・。レディコミにのっていたここなら、しっかりとした身元確認もするみたいだし、なにより何かあったらお店の人のヘルプが受けられるみたいだから。それに元々今週は予定も入ってなかったし、最近一人で家で過ごすのにも飽きて来ちゃって、ちょっとだけ、本当にちょっとだけ好奇心に駆られてのぞきに来ました。

・・・みたいな女だ。まぁ、レディコミの広告みて来店するような女だから、その時点で「普通」でない女である事は否めないが、それはあくまでもこちらの妄想が作り出した幻影。普通の女−加奈は水系業界臭がつけすぎの香水よりも強く臭う奴らに比べれば100倍も新鮮である事にかわりはない。

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