■エロ業界Q&A(34) | Date: 2004-06-04 (Fri) |
【ご質問】
風俗の達人「平」せんせいに教えていただきたいことがあり、早速メールさせてもらい
ます。風俗店で「好かれる客」と「嫌われる客」、「好かれる性風俗嬢」と「嫌われる性風
俗嬢」を教えてください。ちなみに私は先生と同じ立教大出身です。(松山市マードック43
歳)
【ご質問に対するお答え】
性風俗で好かれる客といえば、やはり「優しい客」ということになるのでしょう。別の表現をすれば、「穏やかな感じの客」ということでしょうか。あえて優しい客を定義すると、「本番を強要しない」「無理強いをしない」「女のコの嫌がることはしない」といったごく当たり前のことが基本となります。つまり「金払ってんのはこっちなんだよ」みたいな人は、当然好かれるべくもないのです。他にも、酔っ払い、不潔、ストーカー、根暗、無口なども嫌がられるでしょう。
筆者が女のコの立場ならば、やはり根暗や無口は扱いが難しそうに思われます。しかし風俗嬢にいわせると、こういう客はかえって扱いやすい面もあるそうです。なぜならば、性風俗は本来「癒し」を提供する空間であり、風俗嬢は心理カウンセラー的な側面を持ち合わせているからです。風俗に勤める女のコは、根暗や無口の男の子を一人前の男にするという責務を果たしているのです。
逆に、人気のある風俗嬢といえば、男を惑わすタイプが多いといえるのではないでしょうか。しかし筆者の好みとしては、礼儀や常識をわきまえていて、プレイも上手く、かつ優しい女のコということになるでしょう。まるで筆者だけに親切にしてくれるかのように錯覚させてくれる、雰囲気と頭の良さを兼ね備えた女のコです。まあこんな風俗嬢がいれば誰でもハマっちゃうでしょうね。でもこちらがいくらハマっても、所詮は風俗、仮初めの恋なのです。つまり「惚れすぎ」は、風俗遊びにおいてタブーなのです。我も人の子、彼女も人の子ですから、惚れた腫れたのひとつやふたつはあるでしょう。それでも一線を越えてはならないのがマナーなのです。ある風俗嬢(24)がしみじみ云っていました。「好かれるのは有難いけど、惚れられるのは困る」と。このセリフが風俗嬢の立場を如実に物語っています。贅沢な悩みに聞こえるかもしれませんが、これは人気嬢の本音だと思います。
また筆者が嫌いなタイプの風俗嬢というのは、始終一貫しています。それは余りにも「自己満」で「エゴ」の強い女です。この場合のエゴというのは、自分の客を取った取られたで喧嘩するとかいった可愛らしいものではなく、ヘソピアスやネイルアートに全てを注ぎ込んでいるような自己顕示欲の強い女のことです。誰彼なく無差別に、それも赤の他人を気持ちよくさせようとする、ある種自己滅私を求められる職業において、こういう人種は元々合わないのです。何年間も洗わないで付けっ放しのヘソピアスは、筆者にはどうにも汚く感じられて、ちょっと頂けません。あるいはフェラチオのとき、チンチンもロクに握りしめられないような長い爪など、肉体サービスがどういうものなのか、根本から分かっていないという感じがしてなりません。ただしタトゥーを入れているコの場合、単なるファッションを越えた精神性が感じられ、筆者はなぜか好感を持つこともあります。
結論を云ってしまえば、好かれる客や好かれる風俗嬢にセオリーなど存在しないということです。十人十色、たで食う虫も好き好きなのです。好きとか嫌いとかいう感情はとても繊細なもので、筆者は風俗嬢に嫌な印象を与えてはいないと胸を張って云えるのですが、さりとて特別好かれているというほどの感触はありません。しかしその場限りの関係だからこそ、せめてこの刹那、お互いに嫌な思いをしないように細心の注意を払うようにしています。
筆者は売春というものを美化しすぎているのだろうか? 性風俗というものに思い入れが強すぎるのだろうか?と、いつも自問しています。男にとって最も身近に接することができる彼女たちに嫌な思いをさせたり、金が介在しているからといって、ケチったりトラブったりして、それがどうして「遊び」といえるのでしょう。働くことは大変ですが、実は遊びの方がもっと大変なのではないかと最近感じています。
少々脱線しますが、あるベテランの男優さんがいます。ベテランといっても、デビューして5年ほどでしょうか。男優は勃起力や射精力といった体力的問題がありますので、業界に3年もいれば(一応)中堅ということになります。つまり5年というキャリアは十分ベテランの部類に属するわけです。そんな彼が女性器のビラビラを開いて、必ず「すごーっ!」と云います(笑)。別に女性器など特別凄いものでもありませんし、彼は職業柄、月に数十人もの女性器を見ているわけですから、どう考えても「すごーっ!」という感嘆詞は出てくるはずはないのですが、それでもあえて「すごーっ!」と感歎するのです。つまりいつでも「童貞」の頃のような新鮮な気持ちで女のコに臨む姿勢が、女のコとのHを楽しむ秘訣だと思います。
筆者も風俗遊びをする際は、まず指名した女のコの全裸姿に「いいなぁ」と感動します。
そしてくだんの男優のようにビラビラを開いたりして、「すごーっ!」と感歎するのです(別に真似しているわけではありません)。ちなみにストリップではこうは思いません。
性風俗の場合、舐めたり、指を突っ込んだりできるから、その愛おしさもひとしおなのでしょう。そういう新鮮さを毎回味わうことができる自分に、筆者は感謝しています。普遍的な性行為など世の中には存在せず、セックスとは、1回1回が特別で新鮮なものなのです。性を軽視するということは、自分と自分の行為に飽きていることであり、そこに「他者」は介在しません。セックスレスとはいわば、相手に飽きているという状態ではなく、自分に飽きているだけなのです。筆者は「よく飽きもせず風俗ライターなんかやってるね」と揶揄されますが、毎回毎回が新鮮な、1回限りの経験なのだから飽きることなどないのです。みなさんもそういった思いを胸に風俗店に行かれたら、「好かれる客」になれるのではないでしょうか。