A、売上の水増し
売上の水増しや在庫の架空計上等によって行われる粉飾のことです。
粉飾決算の中では最もポピュラーなもので粉飾の効果が大きいのが特徴です。
商品やサービスにこれといった特徴や強みがないのにかからわず、売上高総利益率(粗利益率)が前年比で大きく上昇するため、容易に見破ることが可能です。
B、経費の隠蔽工作・圧縮による営業利益の水増し
人件費や設備投資によって当然発生する減価償却費等の経費の隠蔽操作による粉飾です。
粉飾をする立場では操作がとても複雑なことが特徴で、見破るのが難しいタイプの粉飾ですが、利益の変動によって同時に資本も変動するので、損益計算書では判断できなくても貸借対照表を見れば見破る事が可能な場合が多いです。
例えば、減価償却費が増えて営業利益が減っているのに、不動産等の資産が増えていない、人件費が増えて営業利益が減っているのに現預金が増えていない等で見破る事が可能であります。
C、損失の隠蔽工作
損失の隠蔽工作で最近多いパターンは、取引先企業の倒産により売掛金が回収不能となっているにも関わらず、貸倒損失を計上しないで売掛金も減らさないといった粉飾です。
つまり、貸倒損失処理を先送りしているだけであり、いつかは処理しなければならない状況です。
売掛金等の回収スピードが前期に比べて極端に遅いといった状況が見受けられれば容易に判断可能です。売上げのアップがともなわない売掛金増などがあれば要注意といえます。
D、貸借対照表操作
貸借対照表上の数字をいじる粉飾です。
具体的に行なわれる方法としては、投資用有価証券(ゴルフやリゾート会員権等)は現在価値を著しく下げていますが、貸借対照表の左側に計上される有価証券を減らして同時に右側でも長期借入金も同額減らす操作を行うなどが挙げられます。
返済していないのに借入金が減っている等とヘンな状況になり、借入元本が減少しているのに関わらず金利負担が減っていない等、矛盾点を突いていけば必ず見破ることができる粉飾が多いです。
特に注意すべき点は売上のアップがともなわない在庫の急増などです。
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