野望の帝国 野望の帝国

風俗情報

  ナンパ地獄変(2)-4
今日は休前日とあって、アーケード街は夜になると人通りが況してきたようである。メインストリートへ続くサンロード新市街には立ちんぼが出ていて声を掛けにくい雰囲気だが、それでも東京と比べたらなんてのどかなんだろうとも思う。新宿、渋谷にいる狂犬のようなスカウトマンとは雲泥の差だ。
 そうこうしているうちに、会社帰りとおぼしき美人のOL風がオレの前を通り過ぎていった。これはチャンスだ。
「すいませ〜ん。読売新聞の勧誘員なんですけど…(のってる時はもう声の掛け方など何でもいいのだ)」
「アハハハ面白い人ですね」おっと、これはまたアイドルの中島礼香に似たカワイコちゃん(死語)じゃないすか。彼女は佐賀県出身の美由紀、二十二歳、アクセサリーショップ勤務。今日は友達と買い物に来た帰りだという。
「友達と別れたばっかでちょうどヒマだったんですよ」
「だったら軽くメシでも食おうよ…」とは言ったものの、昼過ぎに食った寿司が腹にまだ残っていてあまり食欲がない。オマケにHもニ連発でした後なので全然性欲も湧かないのだ。
 なんて勿体ない…。美由紀とはロッテリアでコーラを飲んで別れた。もちろん携帯の番号だけはきちっとゲットしたことは言うまでもないが。
 さて、熊本第一夜はこうして過ぎたが、どうやら博多同様軽さとノリの良さは抜群のようである。このまま九州最後の夜もバッチリと決めたいものだ。
 昨日とは一転して空は快晴。絶好のナンパ日和となった。今日はオシャレな店が多いという上通りを重点的に攻めることにする。熊本ラーメンとして有名な『こむらさき』や朝鮮飴が売っている『園田屋』があるのもここである。 休日とあってか人通りが多い。何人かに声をかけたが色よい返事が聞けぬまま午後になってしまった。中には凄く可愛い子もいたが、高校生だったり、友達と待ち合わせだったりとなかなか事はうまく進まない。九州に来て始めて迎えるスランプか?と頭をかかえそうになったとき、所在なげに歩く後ろ姿を発見。オレはここぞとばかりに声をかけた。
「なんかヒマそうだね…」

[前のページへ] [ドラゴン今中TOPへ]  [次のページへ]


Copyright(c) 2003-2004 YABOU NO TEIKOKU All rights reserved.