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  ナンパ地獄変(2)-5
「うん…。約束してた友達が急に風邪でこれなくなっちゃって」
「へ〜それは残念だね。よかったらお兄さんが食事でも奢るよ」
「ホントに?うれしいな」いやいやうれしいと言うのはこちらのセリフですがな。これまたコギャルっぽい印象のルミは十九歳のフリーター。友達とカラオケに行く約束を反故にされたらしい。いやはや風邪に感謝である。
 スパゲティを食べたあとは彼女の行きたがっていたカラオケボックスへ…。五、六曲歌って一息ついたところで不意打ちのキス。しかし嫌がる素振りを見せる気配はまったくなかった。いったいどうなってんだ。熊本の女は。多少抵抗を見せるくらいはしろよ。と、いったい全体何に対して怒りを見せているのかわからない。結局そのままボックス内で最後までしてしまった。しかし彼女に言わせると本番行為はカラオケボックスに限る…と言うから、オレもとりあえず納得。まあ、広い世の中なのでそういう娘がいてもいいか。ゴムを付けなかったので病気がちょっと心配ではあるが…。
 カラオケボックスを出たあとルミと別れ、いったんホテルへと戻る。昨日ゲットした女の子何人かへ電話を入れ夕方以降のスケジュールについて考えた。今日がいよいよ九州最後の夜である。どうせ最後なんだからゆっくり夜を一緒に過ごせる女がいいのだが…と贅沢な思惑が頭を駆け巡る。よしターゲットは明日までヒマな女だ。
 とは言ったものの、そんなこと外見だけじゃわかるハズもない。何人かに声をかけるも、あたりは今一歩だ。そんなこんなしているうちに夕方になってしまった。う〜ん。やはり難しいか…。せっかく最後の夜なのに。と、肩を落としていると、シャワー通りと下通りが交差する地点の公衆電話から出てきた松雪泰子似の女と目が合う。条件反射で笑顔を見せたところ向こうも笑顔を返して来た。
「どこに電話してたの、彼氏のとこ?」
「うん…そうなんだけど…」口ごもる。
「どうかした?」
「なんか彼氏風邪引いたらしくて、来れないって…」ラッキー!いや、しかし…流行しているとは聞いてたがさすがだわ香港A型。すっごい威力。長い人生インフルエンザに感謝したのは、小学校時代の学級閉鎖以来か…。に、してもそうそうないだろう。

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