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  ナンパ地獄変(4)-4
「摩周湖?琵琶湖じゃないですかね」しかしこのあまりにもくだらないギャグが一見気難しい祥子を和ませたようだ。その後オレと祥子はまるで恋人気分で新京極や寺町通りをウインドーショッピングして回った。実にイイ雰囲気だった。そして祥子はあまり嫌がる素振りを見せずホテルまでついてきた。しかし、ここまでである。不意にキスを奪おうとしたのだが、やんわりと拒絶されてしまったのである。ここで強引にコトを進めてはレイプ魔になってしまう。オレはアッサリと引き下がることにした。まあ、こんなコトもあるさ…。
 祥子と別れたのが午後五時、日もとっぷり暮れようとしていた。しかし週末の新京極はこれから賑わいを見せるハズ。オレはリポビタンDの一番安いヤツをイッキ飲みして気合いを入れた。その後専門学校生のチエミが引っかかるが、やはりお茶だけ…。辛いぜ。
 あきまへん…。二日続けてドボンなんてのは神様が許したとしても、読者様が許してくれはしまい。このままじゃ、東京に帰ってから編集部でリンチにかけられる可能性もある。こうなったら最後の頼みの綱、テレクラしか無い。頼みの綱がテレクラとは実に情けない話ではあるが背に腹は変えられない。オレは早速河原町のテレクラへと向かう…。外は依然雨が降り続いている。しかし、こんな日はテレクラの鳴りが悪かろうハズがない。
 一本目、二十六歳のOLだ。当然自宅からのTELではあったが、意外と話が合う。
「東京の話とか聞きたいですね」
「あっ、ホントに?だったらさ、今からでも出てきなよ。タクシー代くらいなら出すからさ」タクシー代くらい安いもんである。しかも明日は休日、OLなら当然会社も休みだろう。
「じゃあ、行くね…。阪急(デパート)前に着いたら電話するから」まあ、一時間以上話したし…。確立は五十%といったとこ、くれば儲けものか…。
 その後、二、三本のコールを適当に受け流していたところ三十分ほどで携帯が鳴った。ウソ…。
「もしもし、文子だけど…着きましたよ〜」やけに高揚した声である。やけに早いな。ちょっと嫌な予感がしたが、阪急デパート前には想像より(体重)プラス十キロの文子が待っていた。


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