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  ナンパ地獄変(5)-4

 一軒の古着屋で、サッパリ系の美少女を発見した。まだ昼前なので、この時間にブラブラしているヤツは暇人に間違いない。すこし離れて様子を見ていると、これといって何か買うという様子でもない。オレは早速いつもの調子で声を掛けた。
「ちわ〜す。大震災の後遺症について調べてるんすけど…(もちろん適当)」
「ええっ、いきなりなんですか〜」背後から突然声を掛けられ多少びっくりしたようだが、オレの印象は悪くはなかったようである。下川みくに(元チェキッ娘)風のゆかりは十九歳のフリーター。今日は夕方からバイトが入っているので、それまでだったら付き合ってもいいよ…との返事だ。とりあえずお茶したあとは定番のカラオケボックスへ。ここでキスを迫ろうとしたのだが意外とガードが固い。そうこうしているうちにタイムアップ。ゆかりはバイトへ出掛けていった。
 はあ〜。そうなんだよな。結局いい感じで話が進んだところでケツカッチンじゃ、後々の展開もへったくれもあったもんじゃない。即マンできなきゃ、速効リリース。のハズなんだが、相手が可愛いとついつい手放せない。実に悪循環だ。
 やばいよ…ついに神戸最後の夜を何の収穫もないまま迎えてしまった…シャレにならんぞ。編集部に電話して急遽一泊伸ばしてもらおうか?と、そんな都合のいいことを考えていた矢先。オレの前を通るちょっとオトナっぽいねーちゃん。とりあえず声を掛けてみた。デパートの販売員をしているという佐智子、二十二歳である。時間が時間だけに焦っていたオレだが、結局お茶と食事だけでバイバイ…。って、おいおい。いよいよ本格的にまずいぞ。
 ついに時刻は八時半。タラ〜。ここでナンパスポットを人の多い三宮へ移す。駅周辺は東京の繁華街と同じくかなりの賑わいだ。しかし…オレはこういう雰囲気がちょっと苦手なんだよね。でも仕方ない…肩を落としながらターゲットを物色していると。駅前広場でウンコ座りしてタバコ(セブンスター)を吹かしているヤンキー娘と目があってしまった。
 あわてて目をそらすオレ。しかし、そんなオレを目ざとく見つけたそのヤンキーは。
「あんたチューヤンに似とるな〜」と、いう典型的な関西弁で声を掛けてきた。(注 神戸ではこちらが標準語で話しかけると相手も標準語で返してくることが多い)
「えっ、オレのこと」周囲を見渡して。
「そやで。あんたやん」なんとも気さくな、人なつっこい笑顔である。

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