■ ナンパ地獄変(11)-2 |
「友達と待ち合わせしてるんで、ごめんなさい」なんだよ、変に期待を持たせるんじゃないよ。びっくりしたじゃないか。しかし旭川一発目として感触は悪くない。やはりフレンドリーな道民性は旭川も同じなのか。
それはそのすぐ五分後に声をかけたマリコ(二十歳、専門学校生)にて証明される。
「えっ…ああお茶ぐらいだったら付き合いますよ〜」
「えっマジで…」なかなかいいじゃないか、旭川も。と、いうわけで近くのサ店でコーヒーブレイク。
「へ〜専門学校行ってるの…」
「そうなんですよ、でも就職先が決まってなくて…」
「そっか〜大変やね」なんて会話を楽しんだものの正直あまりそそるようなタイプでもない。会話もなんだか固い方向に行ってしまったので、携帯の番号だけ交換し一時間ほどでお開きとなった。
さって、この調子でガンガンいくぞ〜と、思ったオレがバカだった。この後、約一時間半に渡って声をかけ続けたがアタリはゼロ…。しかも五時を過ぎたころからまた雪がチラつき始めた…。どういうことよ。しかもオレは札幌で引いた風邪がまだ完治していない。おまけにこの寒さ…。もう一旦ホテルに戻るしかないでしょ…。
ホテルで休憩を取ったとこで事態が進展するわけではない。逆に焦りが増すだけだ。仕方なくコンビニで購入した地元タウン誌をパラパラめくっているとテレクラ情報が掲載されていた。テレクラね…しかしテレクラに頼るのはまだ早い気がする。それに今日は土曜日だ。週末のテレクラは混んでいてしかもコール数は少ない。行くなら明日の方賢明だ。じゃあどうすればいいのか…。さしたる策があるわけでもなく、無謀にもオレはもう一度街へ繰り出した。
雪は依然として降り続いている。
人の流れも少ない。これが土曜の渋谷なら街を歩くだけでひと苦労だというのに…(確かに積もった雪で歩くのに苦労してるけど)しかもナンパスポットがほとんど限られてるから、メインストリートを行ったり来たりしてるだけ。 あかんな〜こんなんじゃ。少し暖を取るため旭川駅構内で缶コーヒーを飲んでいると、今しがた着いた電車から降りてきたフカキョン似の娘を発見。なにげに声をかける。
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