■ ナンパ地獄変(11)-4 |
メインストリートをとぼとぼ歩いていると、昨日声をかけたOL風の娘(美智子二十二歳。OL)とまた遭遇した。
「あれ…どっか行くの」
「ううん…もう行ってきたところ…自分こそ何してるの?」
「いや、キミを待ってたんだよ」
「アハハ、ウソつけ…」
といった感じで、美智子とオレはホテルに戻りラウンジでお茶。ホッとするひとときだ。しかし、やはりOLは学生なんかと違って身持ちが固い…。「部屋で話そうよ」との誘いにはガンとして断ってきた。
「だって、Hされちゃうじゃない…」まっそりゃあそうなんだが…(前にも聞いたぞそのセリフ)仕方なくお茶だけ飲んでバイバイ。
まっ、こういうこともあるが、これからですよ今日は…。一旦部屋に戻って『笑点』を見たあと改めて出撃。いよいよテレクラに行くのだ。前に雑誌で読んだのだが、旭川はその人口密度に対しテレクラの数が多いという話し。それを聞いたら行かずにはいられんでしょうが。しかも日曜の夜はコールも多いハズ。いやが上にも期待は高まる。
予め地図で確認しておいたNという店に訪れると…看板は出ているのだが、営業してるんだか、してないんだかよくわからん。ドアにも鍵がかかってる…おいおい。仕方なく第二候補のPという店に行こうとしたが、あれ?無いね…地図に書いてある場所は、よくわからんがピンサロになってる。おいおい…テレクラが軒並み潰れてるんじゃないの。しかしまるで助け船のように、ピンサロ近くにコウコウと赤い看板を出したAという店を発見した。とりあえずほっとする。
それにしてもなんてボロいビルなんだ。これは優に築三十年以上は経っている。入店料三千円を払い早速コールを待つ。僕の他に客は二、三人といったところか。これなら早々にいいコールが回ってきそうだぞ。
と、思ったのが完全に甘かった。なんと二時間いて総コール数たった二本。しかも二本とも三十を過ぎたオバチャンコールだ。オレは呆れ果て、帰り際フロントのモヤシ男に文句を言う気力もなかった。しかも外に出ると雪、すでにもう積もり始めて。いる、さぶっ…。どうしようもないやりきれなさが胸を襲う。
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