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  ナンパ地獄変(13)-4

 二日目。昨日の雪はすでにあがり快晴であったが、寒さ自体はあまりやわらいでいない。しかしそれでも朝食も食べずにそそくさと街へと出掛ける。オレとしては昨日の好調をキープしたまま連チャンモードに入りたいのだ。岡山の街自体は確かにショぼいが、女の子の反応は決して悪くない。これが偶然なのか、そうでないのか。確認したいという気持ちもある。
 特に今日は休日ということもあって、昨日とは人の数も違う。なんだかいけそうな気がしてきたぞ。駅前の付近を行ったり来たりしているうちにモー娘のなっち似を発見。迷わず声かけた。
「これからどっか行くの…」
「えっうん。ちょっと」と、言葉を濁すなっち似は加奈子十九歳の学生である。お茶飲むぐらいだったらつき合ってもいいかな。というわけで付近の喫茶店へ。
「でもさこのあとお姉ちゃんと待ち合わせしてんだよね」
「そうなの…」姉妹丼も悪くはないが、まずそんな展開に持ち込むのは至難の技だろう。とりあえずサンドイッチ食ったらバイバイすっか。などと考えているうちに姉がやってきた。
「待った…あっあれ」やってきた奈津子(二十二歳看護婦)は妹と一緒にいるオレの顔を訝しげに見る。
「だっだれ…」
「いや、僕はさっき妹さんをナンパしたものです。よろしく」
「はあ、よろしく」というわけで奇妙な三角関係が出来上がった。
 妹の加奈子がなっち似なら、いかにもケバい姉の奈津子は中澤似といったところだ。それにしても金髪にキツイ化粧はとても看護婦には見えないぞ。
「このあと温泉に行くんですよ」
「そう。二時のバスでね」なんだよそれで二人は待ち合わせていたわけか。ガックシ。
「ねえ、一緒に行こうよ」
「えっ?」
「あっそれいいよ。お兄さんも一緒に行こうよ温泉に」おいおいマジで言ってるのか。
「あのさ、温泉ってどこの温泉なの」
「え〜とね。どこだっけ。ツアーだからよくわかんないんだけど。途中までバスで行ってその後フェリーに乗るんだよね」フェリー?いったいどこに行くというのだ。なんでもツアー料金は一万九千八百円と格安らしく、温泉は混浴らしい(ホントかよ)。オレも特にせっぱ詰まった仕事があるというわけではないが…しかし…。

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