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  ナンパ地獄変(14)-2
「なにやってんの…お茶でも飲まない? 」
「え〜突然びっくりするじゃないですか」
「いや、ごめんね。なんかヒマそうにしてたから声かけちゃったんだよ」
「はぁ…これから駅にキップ買いに行くところなんですよ」と、のたまう幸子(20歳、大学生)なんでも春休みということで帰省するらしい(いいよな〜大学生は気楽でよ)。なんだかんだ会話しながら駅ビル内のサ店でコーヒーブレイク。なにしろ寒いからね。
「ふ〜ん。幸子ちゃんは滋賀県の出身なのか…どうしてまた滋賀からわざわざ宇都宮くんだりまで出てきたの(余計なお世話だ)」
「わたしの行きたい学部が××大学にしかなかったんですよ、フフ」
「それでわざわざ宇都宮までね、ふ〜ん」
 しかし彼女くらい真面目だと、会話のトーンからしてどうもHな話題を振ることもできず、一時間ほどしてバイバイ。まっ仕方ないか。
 時刻は四時を少し回ったころ。街にある寒暖計は1℃を表示しており、冷え込みもだいぶ激しくなってきた。うむ、するってえと、ここはやはり。
読者の皆さんも薄々感づいているとは思いますが、テレクラしか無いのではなかろうか。
 事前の下調べによると宇都宮には八件ほどテレクラがあるハズなのだが…無い…無いね。まずパルコ近くにあるべきDという店が無い。続けて南大通りにあるハズのSという店もありません。
 ガ、ガッーン…。
 もしかしてテレクラ全滅かよ。この寒い中、探し回った結果がこのあまりにも無情なる答え。やばいな。必然的に肩と腰に鈍い痛みが走る。帰りは仕方なく、というか、なかばヤケクソ気味にタクシー。もう歩く気力が残っていまへん。
 ホテルの暖房が効きすぎるほどの部屋で対策を練り直す。そろそろ夕闇の迫る時間帯ではあるが、幸いなことに今日は金曜日、まだまだ街には若者が生息している。そう焦るにはまだ早い。フロントで聞いたところによると、オリオン通りというアーケード街とユニオン通りというファッションストリートが宇都宮のヤングには人気だそうだ。ヨシ、ひと休みしたらそこを攻めよう。

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