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  ナンパ地獄変(15)-3
 しかし、こういうときに限って突然幸運が舞い込むから人生ってのはわからない。なにげに声をかけたミユキ
(十九歳 水商売)はちょつとノリのいいキャバクラ嬢であった。宿泊しているホテルのロビーでお茶、あとは部屋に行くだけだ…。
「おいおいキミ本当はピンサロ嬢じゃないのか?」
「ち、ちがいますよ、だって一応お触りナシだもん」
「ホントかよ〜」
「ミニ○カ ポ○スっていう店だから遊びにきてよ」と、名刺を差し出すミユキ。
「お〜行く行く…オレが行ったらオッパイ触らせてよ」
「え〜やだよ」
 しかし、実際はオレの頭で描いていた展開には程遠く、「じゃこれから店に行くから」と言い残すと、ミユキはとっとと帰ってしまった。
 か〜。うまく行かないもんだな〜。こういう日は布団かぶって寝たほうがいいのかな。と、嘆くのはまだ早い。
ふっふっふっ…あるんだよ盛岡にはテレクラが。こういう時のためにテレクラがあるんじゃないの。正直なところ毎回テレクラで、イイコトなんかほとんど無いんだけどね。
 ガイドブックで探し当てたテレクラHは、薄汚れたビルの三階にあった。取次ぎ制なのに料金は三時間三千円と超格安。だが、この値段の安さがコールの数と反比例していそうで怖い。でも、まあしょうがないか。外は極寒だし、これ以上ストリートナンパを続けたら肺炎をおこしそうだもんな。
 半年前のアサ芸を読みつつコールを待つ。しかし鳴りは極端に弱い。入店から一時間半が経過していたがまともなコールはゼロだ。そろそろヤバイんじゃないか。と思い始めたころ、突然コールがやってきた。
「もしもし…」うん? 周囲のざわつきから言って、どうやら公衆コールっぽいぞ。
「こんばんはわ、どこから…? 」
「あっ、あの盛岡ですけど」おいおい、それはわかってるっちゅうの。
「そうじゃなくって、外からなの」
「はい。そうです」やけに礼儀正しい娘だけど、なんだかか細い声だな。
「援助希望なの? 」
「は、はい…」なんだよ、最初からそう言えっつうの。
 とはいえ、この極寒のさなか、これ以上のコールがあるとはとても思えず、オレは待ち合わせのミスド前へと向かった。外に出て吃驚したのは結構本格的な雪が降っていたことだ。どうりで寒いわけだ。

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